前へ目次 次へ PR 96/162 第96話 え、幻聴、鹿がしゃべるなんて?? 気のせいかしら。凝視してみると向こうもこちらを一瞥した。え、まじか。しかし、味な誘引の仕方ね。草でもって。 鹿は「私に脈は無さそうですね」とのたまう。喋った。がちで。えええ。私は頭を抱え、思案する。あんまりもてないあまり……だから、なし、その思考回路。 私は恐る恐る鹿に近づきそっと手を伸ばす。ちょっとあの毛並みに障りたい。けっして変な意味ではない。純粋に好奇心からだ。 「セクハラは勘弁願います」