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第37話

 そこでマルテスシスがこんなことを言い始めた。殺気だった表情を私は見た。マルテスシス怖い! いつもの茶髪ハンサム君と違う!


「モリシスをかけて尋常に勝負しませんか? ドM王子様……」


 それに腰の柄に手をあてオルストラスが言う。目が血走っていていつもの金髪ハンサムドMとは思えない。こっちもこわ!


「いいでしょう。返り討ちにしてあげましょう! 一騎討ちということでいいですね? まさか一人では戦えないとかありませんよね?」


 オルストラスとマルテスシスはボクシングの試合の前にする記者会見のような険悪さだ。やばいあの二人が本気を出したら街の一つや二つ吹っ飛んでしまう。


 私は新しい対戦相手を、見もせずに跳躍し、壁を疾駆し相手を動揺させておいて火球を飛ばし目眩ましした上渾身の稲妻パンチを脇腹にきめる。


 そして慌ててオルストラスとマルテスシスに忘却呪文を飛ばす。この喧嘩を忘れさすために。


 しかし実力者である二人はあっさりかわす。まあ、当然か。しかしこれはフェイント。私は瞬間移動呪文と分身呪文行使し、彼らの背後に二人に増えた私が回り込みあっさり忘却呪文をたたき込む。


 私は新しい挑戦者を風の盾の呪文で防ぎつつこう言った。


「道場破り中止で!」


 そこでポカンとしているオルストラスとマルテスシスにミンが「大丈夫ですか?」と聞いている。二人は喧嘩などなかったかのように親しげな態度に戻っていた。良かったー!


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