第34話
私は自室で三角巾を頭に包帯のように巻き巻きし、戦闘態勢。
悪役令嬢として生活していて初の部屋掃除を敢行する。お供は親友で従者のミン。
私は掃除機を装備。ミンは雑巾を手にしている。私は「ミン、私頑張る!」と意気込みを語る。一人で生きていくんだから掃除くらいできないとと思ったのだ。
ただ誤算があった……私の部屋はだだっ広い。無駄に広くて大変大変。でも負けてなるものですか! 私をこの程度でくじける残念な女と勘違いしないでよね!
ミンは「モリシス様がもえている!?」と瞠目している。えっ? 私のテンションおかしいかしら?
私は伝説の槍のように縦横無尽に掃除機をぶんぶん振り回しホコリやチリを吸い付くしていく。……いや、まあ、毎日従者たちが掃除してくれているから大したことなかったけど。
ミンは慣れた手つきで床を拭いていく。毛足の長い赤い絨毯はめくっている。彼女の伝家の宝刀「雑巾がけダッシュ」は凄い。全くずれない直進。
床たちが光沢を取り戻していく。まるで化粧落としをしたかのようだ。
一時間ぐらいして今度は壁拭き掃除と窓拭きを始める。白い室内が純白になっていく。まるでパールホワイトみたいに。
最後の窓をキュッキュッとミンと共同作業しながらやっつけた。私は絨毯に腰を下ろし言った。
「ミン、お疲れさま。あっ、ホッペにホコリがついているわ」
私はそれをとってあげる。ミンたら頑張りすぎよ。ミンはなぜか嬉しそうな表情で「ありがとうございます、モリシス様……」と口にする。
私はその後お茶にミンを誘った。だってミンにはいつもお世話になっているんだもの。それにし……親友だし。
私たちはキャッキャッウフウフやって人生を謳歌しました。




