第31話
私は森の中でモンスターと対峙していた。相手は耕運機サイズのうさぎ。色は新雪のように白く色黒の女性たちが羨みそうなほどだ。
そいつは長い耳をぴんとたて口を開け威嚇する。ウーと唸っている。武器はシャーペンぐらいの長さの牙だ。
あれでぐさりとやられたらたまったもんじゃない。急所なら永眠の可能性もある……。
まあ、魔法でぶっとばすのは容易い。簡単な話だ。しかし、今回は小ぶりのダガーで戦闘訓練だ。魔法以外も鍛練しとかないとね。
いざというときにきっと今回のスタイルも寄与してくれるだろう。背後にはミンとオルストラス。ミンの方は心配そうにオロオロしている。今にも泣き出しそうだ。
連れてくるんじゃなかったかしら? ミンに悪いことしちゃったな。罪悪感が波紋のように私の中に広がりすべてを支配しようとする。
オルストラスは胸の前で腕をくみ、平然としている。彼ならいざとなったら助けてくれるだろう。腕は確かなのは乙女ゲームにより確認済み。
私はカモシカのような足で地面を蹴りモンスターにジグザグに迫る。それを目で追い混乱気味のモンスターはとりあえず私にガブリ! しかし、そこには私の姿はない。血しぶきもあがらない。
私の脱兎のような速力に相手はついてこれない。私はヒットアンドウェイ。切りつけては離れ切りつけては離れを繰り返す。




