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第27話

 相変わらず無駄にハンサムだ。私もついポーッとしてしまった。彼はつかつか歩いてきてめんどくさい主任にこう話した。見たこともない鋭い目だ。彼の後ろにはこわもての騎士がちょりつしている。


「私の婚約者に何か気にくわない点でもあるのですか?」


 ハッキリとした敵意に主任は腰がひけ口をパクパクさせる。まるで酸欠の金魚だ。


 オルストラスはこう続けた。主任を怒りのこもった視線で刺し殺そうとしているかのよう。殺伐としたムードだ。周囲には奥様方がとりまいてこそこそ話をしている。


「彼女は将来、私の妻になる人だ。彼女を責めるということは私を責めるということ。クレームがあるなら私に言いなさい!」


 その言葉は激しく空気を震わせる程だった。オルストラス……かっこいい。こんな一面もあるなんて。私の中の彼の評価がうなぎのぼりだ。


 主任はぎろつく王子様に恐れをなしひざまずき「オルストラス様、どうかお許しを!」と口にした。


 オルストラスは「彼女にもうようはないですね?」とはんにゃのような顔で尋ねる。


 それに相手はガタガタ震えながらコクコク。オルストラスは表情を緩めこちらを向いて天女のような笑顔でこう言葉をくれた。


「モリシス、私をあまり心配させないでください。君の辛い顔は見たくないのです」


 私は目を見開きコクコクうなずく。王子様はホッとしたような顔で私の手をとり歩みだした。彼はミンにこう言った。


「ミン、我々はデートをします。先に屋敷に帰っていなさい」


 今日のオルストラスカッコよすぎ。終始リードされる私なのでした。


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