16/162
第16話
私がクピクピからグビグビへ。そしてパクパクからガツガツへ変貌した頃、王子様と出会う……。
長い金髪を流した彼は沈黙していれば、泣く女の子も泣き止めボーッとする美男子オルストラス。
私はこれでドMでさえなければ完璧超人なのにと悔やんだ。
彼は「モリシス、誕生日おめでとうございます! 今日はどついてくれますか?」等とのたまう。
今日はってなによ! いつもはどつき倒しているみたいじゃない!
周囲から「モリシス様はそんなご趣味が……?」や「そんなプレイを?」と言葉が咲き乱れる。
それでは私が変態ではないか。私はオルストラスに「近づかないで変態!」と言葉の斬げきを飛ばす。
しかし、オルストラスは目をほそめうっとりした表情でにっこりし言った。
「ああ、ぞくぞくします! ますます好きになりました!」
私はオルストラスから遁走した。早歩きだ。スカートかなびく。オルストラスは根が生えたようにその場を動かずご満悦。
私はひとごみをかき分け進む。ケーキコーナーでチョコレートケーキをゲット。なかなか美味しいじゃない。




