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第11話
今日は森に来ていた。目的は狩り。動物や魔物をこてんぱんにやっつけ美味しくいただく訓練というわけ。
スズメがチュンチャカさえずり目が痛くなるぐらい緑色の葉はカサカサ揺れている。
枝の上には蛇がいたりする。その枝に尾をぐるぐる巻き付け落ちないように安全対策。
私は獲物に気づかれにくいように上下ともにめいさい柄のジャージ。うん、動きやすい。手を広げ、足を上げる。
いつものドレスちゃんたちとは大違い。差異があるわね。やっぱり前世は平民だったしこっちの方が落ち着くわね。
それにしてもオルストラスが遅いわね。遅刻は女に嫌われるの分かっているのかしら。
猟犬を貸してくれるっていうから渋々、しかたなく、嫌々一緒の狩りをオーケーしたというのに。
さっきから私の背後の藪から気配がする。なんかガサガサやっていたが……何をしているんだか。そいつをしとめてウォーミングアップといこうかしら。
そこで「ワン!」と犬の声。私はやっとオルストラスが来たわと振り返る。私はこう言葉を放った。
「オルストラス、遅いわよ! しっかりしなさいよ……」