傭兵団?
ダーシュ傭兵団に売られた私。
今は、サウスラウスの都市の一つに居た。
ダーシュ傭兵団を率いるのは、小太りしたハゲ頭のオッサンだった。
傭兵を率いる男なのだから、引き締まったマッチョな体に顔に傷を持った人物なのかと想像していたが、見事に裏切られた。
最初は経理を担当する人かと思ったが、私を見て名前を付けたのが、ハゲ頭の男こと「ダグラ -マーシュタット」だった。
ダグラ-マーシュタット傭兵団、略してダーシュ傭兵団、または、ダグラ傭兵団?マーシュタット傭兵団?と言われている。
この傭兵団は、五百人近い人達で運営されている。
傭兵団の規模としては、中堅くらい?
実績も、まぁまぁ?
私のような奴隷は百人くらいで、驚いたことにその大半は、雑務等を扱う使用人で、戦奴はほんの一割程でしかなかった。
四百人の傭兵に、百人余りの奴隷、そして、百人の奴隷内の数人の戦奴、そのなかに私がいた。
ダグラは、傭兵稼業をビジネスとして、割りきって運用していた。
ダグラ自身は、商家の三男坊で、商人として身を立てようとして失敗。
しかし、人集めは得意で、知り合いの商人の薦めで傭兵稼業を遣ってみないかと言われ、冗談半分にやってみたらこれが大成功、本人はただ、人集めをするだけ、傭兵稼業は本職の人に任せる。
人集めをするだけではあるが、中々に大変である。
それが出来るのも一種の才能である。
ダグラは、自身の才能で傭兵団を切り盛りしているのである。
私は、ダグラのことを少し尊敬していた。
私は、前世は借金を背負い、ただひたすら働く毎日、月末の支払いに悪戦苦闘していた苦い記憶がある。
だから、ダグラの話(傭兵達から聞いた)を聞いて、素直に凄いと思ったのだ。
但し、ダグラの人となりは、褒められたものではなかったが。
サウスラウスでは、紛争事は殆ど無い。
魔物退治は、冒険者か、義勇兵の仕事である。
では、傭兵達はどこで稼ぐのか?
国内でなければ、国外である。
アルマルスと、サウザンドは百年近く戦争を続けている。
そこにこそ、傭兵の需要がある。
時には、アルマルスで、時には、サウザンドでというように、金払いの良い方に、勝てる陣営に傭兵は付くのである。
最近は、アルマルスに傭兵団が雇われることが多いそうな?
何でも、アルマルスの貴族は勝っても負けても、金を払ってくれるので、しかも大量に!
ならば、後は損害が出ないようにお茶を濁してやれば良い。
まさしく、楽な商売である。
更にダグラ自身は、戦場に出ないため身の安全は保証されている。
現に今、ダーシュ傭兵団は百人未満の人数しかいない。
傭兵団の大部分は、戦場で、残りは安全な国内で活動している。
国内での、ダーシュ傭兵団の活動とは?
格闘興行である。
人は、ある程度平和で、生活が安定すると退屈を感じ始める。
その退屈をまぎわらすのに、ギャンブルや酒があるのだ。
この世界は、娯楽が少ないのかと思ったが、強さを競うのは、何処の世界も同じ。
そこに、命のやり取りがあるのか無いのかの違いだけである。
ましてこの世界は、強くなければ生きていけない世界。
そして、この娯楽は、ストレスの発散も関係している。
更に、賭け事が付けば?
商売としては、非常に旨い!
そして、私はこの娯楽に、選手として参加するのだ。
剣闘奴隷として。
私は、自分が生きる為に、人を傷つけなればいけない。
最悪、相手を殺しても…………




