奴隷?
サウスラウスに入国し、最初の街で私は傭兵団に売られました。
奴隷だから、誰かに買われるのは分かる。
しかし、私は逆に売られたのだ!
何せ、奴隷商と私を買った傭兵団長のやり取りを私は遠くから見ていたのだが、奴隷商が金の入っているだろうずっしりとした重そうな袋を傭兵団長に渡していたのをはっきりと見たのだから。
更に、傭兵団長は中身を確認するため袋に手を入れ、その手に持っているのは紛れもなく金貨だった!
私が見間違えるはずもない!
間違いなく金貨だった!
それを目にして私は、自分の立場がただの戦奴で在るわけではないと確信した。
ここで、奴隷に付いて説明しておこう!
この世界の奴隷は、主人に守られている存在である。
主人は、奴隷に対して衣食住の保証を最低限しなければならない。
後、奴隷を過度に傷つけてはいけない。
失敗や、間違いを犯しても死ぬほど鞭打ちにあったり、牢に入れられ飲まず食わずで何日も放置されたりはしない。
奴隷を過度に傷つけて働けなくしてしまえば、金を払っているのだから、主人は大損である。
主人は、奴隷に最低限の衣食住を保証することで労働力を手にすることが出来る。
奴隷は、衣食住を保証して貰うことで、安心して働けるわけである。
奴隷になるのは、それほど悲観することではない。
それに、いつまでも奴隷のままでいることもない。
奴隷の種類にもよるが、奴隷は自身を買い戻すことができる。
たえば、農奴は自身が耕した土地の収穫の一部を、賃金として得ることができる。
長い年月がかかるが、自身を買い戻すことができる。
性奴隷も当然、この世界にも存在する。
彼ら、彼女ら、女性だけではなく男性の性奴隷が存在するこの世界。
性奴隷達も、賃金を得ることができる。
客からチップを得ることがあるからだ!
賃金とチップを得ることで、農奴よりも速く自身を買い戻すことができる。
戦奴は、上に挙げた二種類の奴隷よりも速く買い戻すことができる。
何故なら、自分自身に賭けてお金を得ることができるからだ!
だが、戦奴は負ければ最悪、死亡、もしくは戦えない体になってしまうこともある。
戦えない体になると、負傷具合にもよるが、若い闘士や、戦奴の教育係か?世話係になることもある。
教育係ならば、生徒である闘士が勝てば金を手に入れることができるので、奴隷から開放されることもできる。
世話係ならば、開放はほぼ無理であり、多くの者は悲観して命を絶ってしまう…………。
上に挙げた奴隷以外にも様々な奴隷が存在するが、その多くは自身を買い戻し奴隷から開放される。
その時期が、速いか?遅い?の違いはあるが。
また一部、例外もある。
犯罪奴隷等は、年数によって開放される。
数年から、数十年及ぶ労働を課せられ、その後開放される。
そして、未成年の奴隷は、例外なく成年を迎えることで奴隷を開放される。
私はまだ、未成年であるため成年になると奴隷から開放される。
この世界での、成年は15歳。
私は12歳になる春前に奴隷になり、直ぐに売られた。
つまり、後三年間の奴隷生活を私は送らなければならない。
ちなみに、奴隷には魔法を使った刻印が附けられる。
これは、奴隷の逃亡や暴動を防ぐ為である。
この刻印により、たとえ逃げ出したとしても、直ぐに発見されることができる。
逃げ出した奴隷が、どうゆう目にあうか?
説明する必要はないだろう?
後、奴隷は所有者に名前を付けられる。
名前を付けられることで、刻印の魔法が発動するのだ!
そして、この刻印を解除できるのは、所有者だけである。
仮に、所有者が死んでしまうと刻印はそのままで、魔法は停止してしまう。
そうなると最悪、所有者を殺して逃げ出せばいいのであるが?
そうは行かない。
奴隷になった者が、所有者に襲いかかると魔法が発動。
奴隷は、激痛を受けて動けなくなる。
刻印の魔法は、GPS兼スタンガンの役割を果たしている。
私は逃亡など、考えていなかったのだが?
奴隷としての三年間、楽に過ごさせてはくれないかも知れない。
そして、私は名前を付けられた。
私の名前は「 ダン 」
どこぞの某格闘ゲームに出てくる名前だな?と思った。
ある意味、剣も魔法も中途半端な私にはお似合いな名前かもしれない。
こうして、私の奴隷としての三年間が始まったのだ。




