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第3話 俺たち、たった今スポーンしたばかりなんですが!(第1部)

四人は完全にフリーズした。無理とはどういうことだ?


「いやあ、なんだか皆さん、すごく難しいお顔をしてますね……」ヴェネリスがポツリと首を傾げて言った。「たった今、皆さんの『一つだけの』願いを叶えたところじゃないですか……」


彼女の白く細い指先が、サンズが握りしめているスマホを真っ直ぐに指し示した。


「ねえサンズ、あなたのスマホ、ちゃんとバッテリーが100%に充電されてますよね?」彼女は女神らしい慈愛に満ちた優しい笑顔で尋ねた。


「はい! バッチリです! 本当にありがとうございます、ヴェネリス様!」サンズは顔をパァッと輝かせ、ペコペコと深くお辞儀をした。


まるで二人はすっかり打ち解け、心温まる交流をしているかのように見えた……。


だが、残りの三人は全くそうではなかった。


彼らの顎が、ギリィッ!と同時にきつく食いしばられた。エドワード、イツロウ、マイクは足の裏が地面に縫い付けられたようにピクリとも動けなくなり、関節が真っ白になるほど両拳を強く、強く握りしめた。


彼らの殺意に満ちた血走った視線は、女神の満面の笑みと、この異世界で二度と電波を拾うことのない忌々しい黒いプラスチックの板(スマホ)の間を、激しく往復していた。


そんな背後の凄まじい殺気など微塵も感じ取っていないサンズが、ルンルン気分で仲間の元へと戻ってくる。


彼を出迎えたのは、前髪の影に目が隠れ、怒りで肩を小刻みに震わせる三人の『阿修羅(あしゅら)』だった。


一方のヴェネリスは、背後の地獄絵図に気づく様子もなく、大げさに両腕を天へと掲げた!


カッ!と神々しい光がグループを包み込む。


「選ばれし若者たちよ、幸運を祈ります! 私に与えられし力により……」

彼女は、いかにもそれらしい大仰な身振り手振りを交えて高らかに宣言した。

「恐るべき魔王を打ち倒すため、この若き魂たちを素晴らしき世界へと導かん!」


サンズが仲間たちの方を振り返った。


「よしお前ら、ついに俺たちのスーパーアドベンチャーが始まるぜ!」

彼はエドワードの肩をバシッと叩いた。しかし、エドワードは焦点の定まらない虚ろな死んだ目をしたまま、微動だにしない。


ヴェネリスは勝ち誇ったような笑みを浮かべ、まだ呪文のようなものをブツブツと唱え続けている——そもそも彼らをここに召喚した時は一言も喋っていなかったのだから、完全に無駄な自己満足の演出である……。


エドワードは不気味なほどの沈黙を貫いていた。


「未来の偉大なヒーローを送り出す時は、いつも胸が熱くなりますね……」ヴェネリスはズズッと鼻をすすり、目尻の涙を拭うふりをした。


イツロウはさらに深く顔を伏せた。彼の唇はワナワナと震え、聞き取れないほどの呪詛をブツブツと呟きながら、手のひらに爪が深く食い込んで血が滲むほど握りしめている。


「心配いりませんよ、ヴェネリス様!」サンズが胸を張って頼もしく宣言した。「このミッション、絶対に失敗しませんから!」彼は天に向かって拳を突き上げながら絶叫した。


そして彼はスマホを取り出し、満面の笑みでヴェネリスと記念のセルフィー(自撮り)をパシャリと撮った。


その後ろで、マイクは天を仰ぎ、鼻筋を強くつまみながら、現実逃避するように疲れ切ったまぶたを固く閉じていた……。


そして……


光の爆発と共に……!


彼らはアトラス王国の巨大都市、ヘスティリアの……「すぐ近く」に転送された。


彼らのスニーカーが踏みしめたのは、大都市へと続く街道沿いにある、うらぶれた村の土ぼこりだった。


周囲の通行人や村人たちがピタリと足を止める。彼らの疑念と警戒に満ちた視線が、四人の見慣れない窮屈そうな学生服を舐め回すように観察した……特に、シャツが引き裂かれて胸の半分が丸出しになっているにもかかわらず、全く恥じる様子もなく堂々と立っているマイクに、ドン引きの視線が集中していた。


「すげえ! 俺が想像してた通りのファンタジー世界だ!」サンズが目をキラキラと輝かせて歓喜する。


彼はくるりとその場で一回転し、空気を胸いっぱいに吸い込んだ。


「見ろよこれ! もう宿題も授業も気にしなくていいんだぜ! しかも、絶対にとんでもないチートスキルをアンロックできるはずだ!」


彼は意気揚々とスマホの画面をタップした。


「それに、マップアプリを使えば、偉業(クエスト)をこなすための冒険者ギルドみたいな場所もすぐに見つかるはず——」


彼が画面から顔を上げた時。


目の前で、三人の仲間がギリギリと歯を食いしばり、絶対零度の冷たい、それでいて殺意の籠もった視線で彼を睨みつけていた。

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