第19話 狡猾な暗殺者たちの帰還!(第1部)
ズキッ……。ここはどこだ?
全身の骨が軋むような痛みと共に意識が浮上する。
なぜ俺は、むさ苦しい他の3人と一緒に相部屋のベッドで寝かされているんだ?
ああ、そうだった。俺は今日、見事にボコボコにされたんだった。
「なあアンネステリア、スライム狩りなんてどうだ?」
「エドワード……」
「じゃあ、ゴブリン退治とか? 近くに野営地があるし、結構経験値(EXP)稼げるぜ」
「お願いだから……」
「わかったよ、最悪、悪戯好きのレプラコーンの宝探しでも行くか?」
「私は冒険者じゃないのよ!」
(確かに、俺はまたしても思い上がりを……)
俺が仲間たちの看病を彼女に任せず、わざわざ連れ出したのには明確な理由がある……単に、酒場にいる見ず知らずの屈強な連中に「パーティーを組んでくれ」と頭を下げて頼む度胸がないからだ。
なにせ、俺はまだレベル6か7のひよっこ初心者だ。
その上、村の世間からは「すぐに初対面の相手に噛みつく、行儀の悪い狂犬病のチワワ(クソガキ)」として完全に認知されているしな……。
「じゃあ、安全で簡単なクエストにしましょうよ……例えば、荷物の配達とか! それならできるでしょ」と、アンネステリアは相変わらずの母親ヅラで言った。
「また俺をガキ扱いか? その上から目線で話すの、今すぐやめろよな」
「わかったわ、可愛い弟くん」
(まあいい。正直なところ、俺が危険なクエストを提案するのは、さっさと経験値を荒稼ぎしてレベルを上げたいからでもあるんだが。)
しかし、この初心者向けのお使いクエストってのは本当にひどい。お使いのくせに外を歩くリスクがあるわりに、報酬が雀の涙ほどしかないのだ!
俺たちはこの異世界でも、底辺労働というシステムの奴隷だってのか?
「わかったよ、配達でいいぞ、アンネステリア。お前がそこまで言うならな」
「完璧ね。私が受付で名前を登録してくるわ」
ギルドの出張受付でクエストを受注した後、俺たちは倉庫へ荷物を受け取りに行った。中身の分からない重い木箱だった。
って、ちょっと待て。受付嬢……ヘスティリアのギルド本部を仕切ってたのと同じエルフじゃないか! 初日に俺たちの潜在能力(ポンコツ具合)を引き出して、底辺ギルドに登録してくれたあの美人エルフだ!
こいつら、いくつも仕事を掛け持ちしてるのか? クローンか何かか?
「こんにちは、アンネステリアさん。今日は荷物の受け取りですか?」
「ええ、クエストよ!」
「あなたが本屋以外の仕事をするなんて珍しいですね。おまけに、今日はその『可愛らしい小さな従業員さん』も一緒で」
「ええ、一緒にこのクエストをこなすの」
(こいつら……ニコニコしながら俺に何か嫌味なメッセージを送ろうとしてるのか、それとも単にチビだとからかってるだけなのか……)
俺は額に青筋を浮かべながら、必死に作り笑いを浮かべた。
アンネステリアが荷物を受け取った後、俺たちは指定された住所へと向かった。
到着して驚いた。
絵に描いたような裕福な人間が住む、立派で巨大な邸宅だった。つまり、依頼主は金持ちであり、チップの報酬も弾むということだ。
おそらく貴族か大商人の別荘だろう。
さっさと荷物を届けて金をふんだくるために、俺がドアをノックしようとした瞬間。
ガシッ! アンネステリアに、親がしつけの悪い犬を止めるように胸ぐらを掴まれた!
「おい、何すんだよ!」
「いい、エドワード。この先へ進む前に約束して。絶対にキレないで、ちゃんとお行儀よくするって」
「当たり前だろ、俺を誰だと思ってるんだ? 発情期に入ったマイクとでも勘違いしてんのか?」
彼女はため息をつき、ついに手を離した。どうやら信じてくれたようだ。遅いくらいだ、母親みたいにベタベタと付きまとわれるのはもうウンザリなんだよ!
コン、コン、コン!
重厚なドアの取っ手が動いた。
「クエストを受けてやってきた冒険者だが——な、何ィ!?」
ドアが開くと、一つのシルエットが姿を現した……絶対に忘れるはずのない、あのシルエットだ。
「おや、おや、誰かと思えば?」
ゾルネリウス! あのダンジョンでボコボコにした『三日月』の暗殺者じゃないか! そしてそのすぐ後ろに、気の抜けたパジャマ姿で足を引きずりながら、もう一つのシルエットが現れた。
「生意気なチビっ子のようね、お兄様」
「ああ、ダンジョンにいたあのガキか。おや、お仲間は一緒じゃないのか。特にあの一番デカい奴は……」
この二つの声は千人の中からでも聞き分けられる……『三日月の暗殺者』グループの生き残り!?
ゾルネリウスとその妹。ふざけんな、あいつらどうやって刑務所から出てきたんだ……!?
俺の脳内で危険信号がガンガン鳴り響く。
「よし、念のためだ」
「念のためって何が——」
「『砂埃』!!」
バサァッ!!
俺は一切の躊躇いもなく、ポケットに忍ばせていた一握りの灰ほどの大きさの砂煙を、勢いよく至近距離から放った……そしてそれは悪魔的な精度で、パジャマ姿のゾルネリウスの両目にダイレクトにクリーンヒットした。
「ギャアアッ! め、目がぁぁっ!」と叫びながら、哀れな暗殺者はまたしても痛みにのたうち回り、邸宅の玄関で無様に転げ回った。
「この卑怯者! よくもお兄様を!」
「誰だよお前? 俺は名前も知らねえぞ……」
「生意気なガキね、私は恐れを知らぬ『エレナ』よ!」
(舐めてるのか……『エレナ』なんて、いかにもブルジョワ向けの、捻りもクソもないモブ貴族みたいな名前じゃないか。)
一瞬、玄関に奇妙な沈黙が落ちた。
「ほら見ろ、こいつらがダンジョンで俺がぶっ倒した暗殺者の生き残りだ」と俺は警戒を解かずにアンネステリアに言った。
「そんなに恐ろしい人たちには見えないけど……ってちょっと待って、彼ら刑務所にいるはずじゃないの?」
「だろ? 俺の嫌いな奴らだと知ってて、ノックする前に『落ち着け』って言ったのかと思ったら……結局お前も驚いてるじゃないか」
「当たり前でしょ! 私はてっきり、あんたがいつものように出会いがしらに初対面の人間に噛みつく『狂犬』だと思ったから、念のため警戒しただけよ!」
(このクソアマ……俺のことをどんだけ理不尽な野蛮人だと思ってるんだ?)
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