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第8話 異能を持つ4人の悪友たち (第1部)

悪友四人組は、これ以上一秒も待てないとばかりに教官の背中を追った。その目は尋常ではなくギラギラと輝き、口角は耳まで届きそうなほど不気味に引き上がっている。


自分たちが刑罰を消化するために、この割に合わない最悪の仕事を引き受けたことすら、完全に脳内から消し去っているようだった。


だが彼らにとって、この不遇な仕事は一つの輝かしい扉を開くものだった。


その扉とは……異世界のお約束、自分たちの『ステータス』だ。


「着いたぞ。座ってこの書類に記入しろ。終わったらあの光るオーブのところへ来い」


四人の高校生はピタリと立ち止まった。彼らの満面の笑みが一瞬にしてフリーズし、シュワッと蒸発する。その部屋は、彼らが夢見ていた華やかなギルドとは似ても似つかなかった。


むしろ、ギシギシ鳴るサビたパイプ椅子と、教官が今まさにドカッと座った魔導端末(パソコン)が置かれた、殺風景でカビ臭い『市役所の窓口』か何かのように見えた。


だからといって、彼らがここで諦めるわけではない。


「よしお前ら、ポジティブに考えようぜ。この書類を書けば、俺たちのステータスやクラス、隠されたチート能力が白日の下に晒されるに違いない!」


エドワードは顎を上げ、熱血主人公のように拳を強く握りしめた。何せ、彼らはいつの日か魔王を倒さなければならない運命なのだ。


その激励の言葉に、四人は一斉にガタガタと音を立ててパイプ椅子を引き、羽ペンを握って座り込んだ。書類を埋める準備は万端だ!


「「「「やっと終わったー!」」」」

彼らは声を揃え、羽ペンを机にポイッと放り投げた。


四人はようやく、この長ったらしく難解な書類の記入を終えた。


質問の意味も、それがステータスとどう関係するのかもサッパリ理解していなかったが、自分たちの潜在能力が覚醒するという期待に、椅子の上で地震が起きるほどの猛烈な貧乏揺すりをしていた。


「教官殿、見事書き上げましたよ!」エドワードはドヤ顔で胸を張り、書類をバンッとデスクに叩きつけた。


「いやー、この後の手続きが早く終わるといいんですけどね。俺たちの真の力が何なのか、早く知りたくて!」イツロウがハエのように両手を擦り合わせながら付け加える。


この二人は、異世界に来てから味わった数々の悲惨な出来事(主に逮捕と投獄)などすっかり忘れ、待ちきれない様子で床を削る勢いで足踏みしていた。


「あー……この書類は、主にお前らのアトラス王国の『身分証明書』を作るためのものだ。これで正式にこの国の国民になったわけだな」


『あ、そういえばそうだった……』四人は死んだ魚のようなジト目になり、心の中で深いため息をついた。この世界に来てからというもの、このお約束の展開ばかりだ。誰も物事を分かりやすく説明してくれないのである。


事務処理が終わるまでの数分間、彼らはイライラと足踏みをしながら、ただの一般市民として待たされる羽目になった。


しかし、これだけでは終わらない。


「よし、青二才ども。これで手続きの半分は終わりだ。これを正式に受理し、お前たちのステータスを解放するために、次は適性検査を受けてもらう」


四人の顔が再びパァッと明るく輝き、ハイプ(熱狂)で瞳孔が限界まで開ききった!


今度こそ間違いない。事務的であれ肉体的であれ、ついにステータスが判明するのだ!


教官について兵舎の外に出た彼らは、数ブロック歩いた先にある大きな建物の前で立ち止まった。


建物の中は相変わらずお役所のような雰囲気だったが、先ほどよりは活気があり、ようやくファンタジーらしさがあった。


いくつものデスクが並び、眼科医の視力検査機のような魔導具の前に座って順番を待っている人々の姿が見える。


「ここがギルドセンターだ。数あるギルドの中から所属を選ぶ場所だが、お前らみたいな特例の場合は、ステータスと潜在能力を覚醒させるためだけに来た。すぐに終わる。一人ずつ、そこのデスクに座れ」


エドワードは一秒も無駄にせず、指定されたデスクの前の椅子にバネのように飛び乗った。


残りのメンバーは目を丸くして周囲を見渡している。彼らにとって、それはまさに夢が現実になった瞬間だった。


「はい、お兄さん。そこに座ってね。それじゃあ、覚醒の儀式を始めるわよ」


『おっ?』マイクは声に出さずに息を呑んだ。サンズとイツロウから離れ、遠くからエドワードのデスクを血走った目でじっと見つめている。


エドワードは座ったまま、目の前の機械が何なのか理解できずに目を細めた。金属製の双眼鏡と合体した巨大な水晶玉のような、いかにも怪しい装置だ。


しかし、彼を出迎えたエルフの女性の甘い声とフローラルな香りが、彼の肩の力を抜けさせた。


「ちゃんと位置を合わせてあげるわね」


若いエルフは机の上に身を乗り出した。彼女の美しい顔がエドワードの顔の数センチの距離まで近づき、彼の青い瞳をじっと覗き込む。


遠くから見ているマイクの顔が、極度の羨望と嫉妬で般若(はんにゃ)のように歪んだ。彼はハンカチを噛みちぎる勢いで自分の拳を噛み、地団駄を踏んでいる。


早く自分の番が来ないかとウズウズしているのは間違いなかった!


彼女は柔らかな両手をエドワードの頬に優しく添え、機械の正面に彼の顔を固定した。


「んんっ……お姉さん、ちょっと展開が早すぎる気もするけど、嫌いじゃないぜ」エドワードはイケメン風の低い声を作ってキメ顔で言った。『このエルフ、随分と積極的だな……』と内心でドギマギしながら。


「絶対に動かないでね」彼女は甘く、魅惑的な声で囁いた。


「動くわけな——ピカーーーッ!! ぐあぁぁっ! 目がぁぁぁ! 目がぁぁぁぁっ!!」


その機械は突如として、太陽拳のような強烈な閃光を放った。光は極度に収束されており、部屋全体に広がることはなかった。


すべての閃光が、エドワードの敏感な網膜だけをピンポイントで焼き払ったのだ。彼は椅子ごと後ろにひっくり返り、顔を激しく擦りながらゴキブリのようにのたうち回った。


「はい、よく頑張ったわね、お兄さん。五分もすれば視力は戻るわ。そしたらあなたの魔法適性、適正クラス、ステータスが分かるから。次の方ー!」


マイク、サンズ、イツロウの三人も順に同様の無慈悲な洗礼を受け、少なくとも五分間は盲目状態でゾンビのように宙を手探りする羽目になった。一方、教官は腕を組み、悟りを開いた僧侶のような落ち着きで彼らの結果を待っていた。


この男、この罠を知っていたのに一言も喋らなかったのだ。


『可哀想に……まるで過労死寸前の日本の社畜サラリーマンだ。心が死んでる……』四人は痛むまぶたから涙を流しながら、心の中で同時に同情した。


「結果が出たわよ! 予想より早かったわ! 自分の覚醒結果を見れるわよ! ワクワクしない?」エルフはパンパンと手を叩いて喜んだ。


「「「「何も見えねえよ……」」」」四人の少年たちは、どんよりとした声で見事にハモってツッコミを入れた。


「あら、ごめんなさい! テヘッ」彼女はコツンと自分の頭を叩き、ペロッと舌を出して可愛くウィンクした。


全く反省しているようには見えなかったが……彼女は被害者たちの文句を華麗にスルーして、彼らの能力を読み上げ始めた。


「それじゃあ、エドワード・ニシムラ……。おおっ、クラスは『魔術師(メイジ)』ね! 面白いわ! でも身体能力はごく平均的……というか平均よりちょっと下ね。それに……あら、ごめんなさい、魔力量も平均よりやや下だわ!」


マイク、サンズ、イツロウの三人は、口元を両手で覆って「ブフッ!」という笑い声を必死に押し殺した……。


エドワードの顔が引きつり、ぎこちない作り笑いのまま完全に固まった。彼はもう、自分の残念なステータスなど二度と聞きたくなかった。


「でも、あなたは運がいいわ! 固有魔法スキルを持ってるの! たしか『スターダスト』って名前ね」


『おお? 案外悪くないんじゃないか? 星属性とかかっこいいし』エドワードは少し顎を上げて自信を取り戻した。


「でも、この種の星属性魔法は魔力を馬鹿みたいに消費することで有名だから、今の魔力じゃ全く使い物にならないわね。おまけに使える魔法は『スターダスト・ライン・ビーム』の一つだけ。こんなに燃費の悪い役立たずな魔法、私初めて見たわ!」


三人の押し殺した笑い声が、ついに決壊して大爆笑へと変わった。彼らは腹を抱え、床を転げ回って笑い咽んだ。


『頼む、神様! こいつらのステータスが、この世界で一番最悪のゴミステータスでありますように!!』エドワードは額にビキビキと青筋を浮かべ、心の中で全力で仲間たちを呪った。


思い描く異世界ヒーローへの道は、どうやら険しそうだ。

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