第7話 そんなうまい話があるわけない!(第2部)
翌日の朝——いや待て、この流れはもうやったな! 彼らは無事に目を覚ましたが、昨日とは全く違う状態にあった……まあ、主にサンズの話だが。
「つまり、弁護側の主張は……被告人サンズ・クジラは『炎上誘発ウイルス』と呼ばれる、不治の精神疾患を患っていると?」
観衆は激怒する代わりに困惑して眉をひそめ、眼前のあまりにも馬鹿馬鹿しい光景にポカーンと目を丸くしていた。
サンズは独房のシーツで、ミノムシのようにガチガチに簀巻きにされていた。
イツロウの極悪なアイデアをエドワードが即座に承認し、あり合わせの布で凶悪な拘束衣を作り上げたのだ。
今回は絶対に余計な口を開かせないよう、分厚い布切れが猿ぐつわとして彼の口に容赦なく食い込んでいる。
「はい、裁判長。誓って言いますが、昨日サンズは完全に正気を失っていたのです!」エドワードは胸に手を当て、親友を深く心配する悲劇の主人公のフリをして叫んだ。
「フ、フグゥ……ンンッ!」
「彼が生まれつきこんな重い十字架を背負っているなんて悲しすぎます! だからといって彼を罰するべきではありません!」イツロウは袖で巨大なクロコダイルの涙(嘘泣き)を拭い、大げさに天を仰いで呻いた。
「グヌゥ……ンン!」
「若年性認知症と、頭の中で響く『謎の声』の板挟みなんです!」エドワードは痛ましく首を振って付け加えた。
「ンン! ンンンッ!」
「彼にあんな暴言を吐かせる、あの抑えきれない衝動のせいです……!」マイクも目を伏せ、いかにも落ち込んでいる心優しい大男を演じて同調した。
「ンンーフ!」
「そこのあんたが俺たちにつけたあだ名からしても、完全に的外れです!『スディスタのドワーフ(チビ)ども』だなんて、極めて差別的ですよ!」エドワードは観衆の一人をビシッと指差して、人権派弁護士のように憤慨してみせた。
『まあ、最後のセリフは本題と関係ない余計なクレームだが、無料のボーナスみたいなもんだな……』エドワードは内心でほくそ笑み、満足げなゲスい薄ら笑いを一瞬だけ唇に浮かべた。
しかし、観衆の反応は予想外だった。驚きと、本能的な恐怖のざわめきが波のように広がる。
村人たちは蜘蛛の子を散らすようにベンチの上で後ずさりした。
「悪魔だ! 悪魔に憑りつかれているんだ!」群衆の中で突然誰かが叫んだ。
「そう、それこそが……えっ?」エドワードのドヤ顔がフリーズし、言葉を失った。
ビシッと突き出していた彼の腕はだらりと下がり、顔からスッと血の気が引いた。
しまった。
彼らは、現代の精神医学的な「もっともらしい説明」が、中世ファンタジー世界では『悪魔憑き』と直訳されて受け取られるとは、一秒たりとも想像していなかったのだ。
「悪魔憑きだ! 火あぶりにしろ!」
「グゥゥ……ンンーーッ! ンンーーーッ!」(サンズがミノムシ状態で激しく暴れる)
立ち上がり、真っ先に拳を振り上げて扇動しているのは、あの騎士セアリウス・ゴルトステリアだった。彼は本当に、ゴキブリのようにしつこかった。
「ち、違います! た、ただの病気だって今説明したばかりじゃないですか!」イツロウが滝のように冷や汗を流し、必死に両手を振ってどもる。
「ンンーッ! ンンーッ!」
イツロウは群衆を静めようとしたが、ストレスで胃がキリキリとねじ切れるように痛んだ。
そもそもサンズを簀巻きにするのは彼のアイデアなのだ。サンズは自分の命がかかっているため、首の骨が折れるほどの凄まじい勢いで上下に頷き、イツロウの言葉を肯定していた。
「悪魔の病気? 伝染するかもしれないぞ!」
「火あぶりにしろ! 燃やせ!」
「ンンーーッ!?(なんでそうなるんだよ!?)」
観衆は完全に暴徒と化して叫び声を上げた。彼らは明らかに、生意気なティーンエイジャーを処刑して娯楽にするための口実を探しているようだった。
バン! バン! バン! 裁判長の木槌が壊れるほどの勢いで狂ったように叩きつけられた。
白髪の青年が、スッと演台の端に進み出た。
「黙りやがれええええ、貴様らぁぁっ!!」
法廷は水を打ったように一瞬で静まり返った。青年は乱れた服を正し、何事もなかったかのような無表情で再開した。
「裁判長は、この茶番劇はいったい何事かと疑問に思っておられる。昨日の彼は、ピンピンして極めて健康だったではないか!」
エドワードとイツロウは口をパクパクさせ、必死に新たな嘘を脳内で検索した。
「……少しでも刑を軽くしてもらおうと、俺たちがまた嘘をつきました」
マイクの腹の底に響くような重々しい声が響いた。彼はエドワードのすぐ後ろに立ち、頭一つ分高く、大木のようにそびえ立っていた。
エドワードとイツロウは絶望して目を伏せ、彼を引き留めようとすら(抵抗)しなかった。彼らは一線を越えすぎて、自爆したのだ。
「それでもお前らは——」
「静粛に!」
セアリウスの言葉を鋭い命令で遮ったのは、エリエナだった。彼女は冷たい目で騎士を睨みつけた。
騎士はギリッと歯軋りしたが、大人しく黙り込んだ。
マクスウェルとアナステリアも無言のままで、自滅していく四人の馬鹿な高校生に、どこか哀れみを含んだ生温かい表情を向けていた。
「エリエナ検察官、感謝する。昨日の裁判を見て、彼らがただの『愚かな子供』であることは法廷にも明らかだ。確かに息を吐くように嘘をつく子供たちだが、子供には違いない。安心しろ、我々はすでに処罰のアイデアをまとめている」
白髪の青年は一歩下がった。
ミノムシ状態のサンズの冷や汗が一滴、こめかみをツーッと伝い落ちた。
「ウヒヒ、ゴホン……彼らの若さを考慮し……大人への過渡期にあるということで……我々は……えーっと……そうそう、彼らに刑罰の選択肢を与えることに決定した!」裁判長はプルプルと震えながら演台に寄りかかって叫んだ。
法廷の全員がゴクリと息を呑み、彼の次の言葉に耳を澄ませた。
「あー……肝心の刑罰の内容を忘れてしまったな」老裁判官はボケた顔で頭を掻きながら言った。
『絶対そうなると思ったよ、このクソジジイ!』四人の仲間は心の中で一斉に激しく突っ込み、絶望でガクンと膝を折った。
幸いにも、法廷で暴動が起きる前に白髪の青年がスッと前に出て引き継いだ。
「裁判長が申し上げようとした通り、あなた方に刑罰を選択していただきます!」彼はよく通る大声で宣言した。「選択肢その一、懲役三年!」
『最悪だ! 青春が終わる!』彼らはガチガチと歯の根を鳴らして震え上がった。
「その二、炭鉱での強制労働六ヶ月!」
『絶対嫌だ! もやしっ子の俺たちじゃ三日で過労死する!無理無理!』彼らは恐怖で眼球がこぼれ落ちそうになるほど目をひん剥いた。
「そして最後に……偉業団での一ヶ月の奉仕活動!」
『終わっ——いや待て、それならいけそうだぞ! ってか短くないか!?』絶望の底にいたグループの顔が、一気にパァッと明るく輝いた。
「どれを選——」
「偉業団にします!!」彼らは食い気味に声を揃えて叫び、書記官の言葉を見事に遮った。
観衆からは驚きと不満の声が上がった。セアリウスは怒りで顔を真っ赤にして爆発し、バンッ!と椅子を蹴り倒して大股で法廷を去っていった。この生ぬるい結末がどうしても納得できなかったのだ。
「まあ、法廷に異議はないようですね……。彼らのこの若さと軟弱さにしては驚きの選択ですが、それで十分でしょう。私の依頼人の大半も、彼らの決定に不満はないようですし」エリエナは中指で眼鏡を直しならが言った。
彼女は、彼らが最も過酷なものを選んだとでもいうように、驚いたように眉をひそめていた。
しかし、グループの考えは全く違った。たった三十日という短い間、街を監視するために柱のようにボーッと突っ立っているだけで許される?
絶対に大当たり(ジャックポット)だ。チョロすぎる。
「それでは、異議なしということで、本件を正式に閉廷とする!」
バン! バン! バン!
彼らの苦難は、正式に終わりを告げた。
────
四人の悪友たちは、兵舎の薄暗い更衣室で息を殺して黙りこくっていた。
屈強な教官から着替えの入った麻袋を渡され、ガチャリとドアが閉められたところだった。
彼らは任務に就く前に、十五日間の基本訓練を受けなければならない。
廊下を歩く重い足音が完全に遠ざかると同時に、彼らは悪の天才のような、抑えきれないゲスな笑い声を爆発させた。
「ぶはははっ! やっと一息つけるぜ、あんなに苦労したのによ!」エドワードは目尻に浮かんだ歓喜の涙を拭いながら吐き出した。
「運はまだ俺たちに味方してるぞ、お前ら!」イツロウが勝利のポーズで両拳を天に掲げて叫んだ。
「ついに俺の本当の異世界ヒーローライフが始まるんだ!」ミノムシの拘束から解放されたサンズが歓喜の舞を踊った。
「高い見張り台の上から、エルフや獣人のおっぱい拝み放題だぜ!」マイクがだらしなく舌を出し、目を血走らせながら興奮気味に言った。
「「「そういう問題じゃねえだろ!!」」」
他の三人が見事に声を揃えてツッコミを入れ、マイクの後頭部をスパーン!と強烈に引っぱたいた。
心の底では、エドワードとイツロウはこの「偉業団」という仕事の安全性について一抹の不安を覚え、冷や汗をかいていたが、それでも懲役や炭鉱送りのリスクを回避できた価値は十分にあると思っていた。
たった一ヶ月の辛抱だ。
彼らは支給された訓練用の制服に着替えた。
ネイビーブルーの丈夫な生地は、日本の高校の学ランと、ファンタジー世界特有の革製の軽鎧を完璧にミックスしたような、厨二心をくすぐるデザインだった。
バンッ!
突然ドアが乱暴に開き、彼らはビクッと肩を震わせて飛び上がった。
「よし、お前ら、着替えは終わったか? こっちへ来い。お前らの『ステータス』を確認するぞ」
鬼のような顔の教官だった。だが、彼が発した『ステータス』というその言葉は、まるで天使が奏でる甘美なメロディのように、ゲーマーである四人の耳に心地よく響き渡った。
彼らの目は抑えきれない興奮で、キラキラと星のように輝き始めた。本物の異世界マンガの主人公のようなワクワクする王道展開が、いよいよ始まるのだ!
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