第6話 ますます絶好調!(第3部)
「異議あり(フェイクだ)!!」エドワードが怒鳴った。
彼は老魔術師に向けて、法廷バトルゲームの主人公のように威風堂々と腕を突き出した。
「まず第一に、ジジイ、今は弁護側の発言ターンだ。ルールくらい守れ」
裁判長はコクコクと激しく頷き、エドワードの主張をあっさりと肯定した。
エリエナは眼鏡の奥でスッと目を細めた。「何が言いたいのですか、被告人?」
「自分のメモをよく読んでみろ、検察官殿。一言一句な。俺の仲間はこう言ったはずだ。『俺はルービックキューブを売ろうとした』と。あいつはカラフルな『おもちゃ』の話をしただけだ。それが呪われたアーティファクトだなんて、一度も認めていない」
エドワードは自信たっぷりにこめかみに人差し指を当てた。
「で、ただの遊牧民としての素朴な疑問なんだが……『呪われたアイテム』ってのは魔力を発するものなのか? この世界の魔法ってのは、そういう仕組みなんだろ?」
群衆が騒然とし始めた。魔法の基本ルールすら知らないなんて、こいつはどれほどのバカなのか?
「その通りです」エリエナが優越感に満ちた冷笑を浮かべた。「呪われたアイテムは、多重の呪文によって膨大な魔力を放ちます」
エドワードは証拠品が置かれたテーブルへと近づいた。
「完璧だ。もし俺が、この物体から『魔力なんて微塵も放出されていない』ことを証明できたら、自白剤の取引に応じてくれるか?」
エリエナはカラフルなプラスチックの塊を冷たい目で見下ろした。
「いいでしょう。許可します」彼女は言い放った。
エドワードはルービックキューブを手に取った。彼の指が、目にも留まらぬプロのスピードで動き始める。
「俺は魔力ってやつには親和性がなくてね。だが、マクスウェルさん。あんたは偉大な魔術師だったんだろ? この物体から、魔法の気配を少しでも感じるか……」
カチャッ! わずか数秒でキューブの六面が完璧に揃い、エドワードの掌に置かれた。
彼はそれを老人の鼻先にバシッと突きつけた。
「……この『ルービックキューブ』からな!」
マクスウェルは一歩後ずさりし、プラスチックの四角形を凝視した。恐る恐る手を伸ばし、その滑らかな表面に触れる。
彼のふさふさの眉毛が寄った。
「ふむ、奇妙だな……魔力の波動が全く感じられな——」
「はい! 法廷の全員の前でハッキリ言いましたね! 魔力はゼロ! あなたの有利な証言に感謝するよ、ジイさん!」エドワードは観衆に向かって歓喜の声を上げた。
「ちょっと待って! もしかしたら、呪いは内側に封じ込められてるのかもしれないわ! 壊さないと出てこないのよ!」観覧席から母親がヒステリックに叫んだ。
エドワードのドヤ顔の笑顔がスッと消えた。
彼は無言のままキューブを頭上に高く掲げると、ありったけの力を込めて、法廷の硬い石畳に全力で叩きつけた。
ガシャァァァァッ!!
「ひぃぃぃぃっ!!」
恐怖の悲鳴が法廷を引き裂いた。
村人たちは手榴弾でも投げ込まれたかのように一斉にベンチの下に飛び込んだ。エリエナは演台の下に身を隠し、裁判長は机の後ろでダンゴムシのように丸まった。
果てしなく長く感じる、気まずい数秒が過ぎた。
……何も起きない。
煙も、魔法の爆発も、悪魔の出現もない。ただ、カラフルな安物のプラスチックの破片が、虚しく床に散らばっているだけだった。
被告人席では、マイクとサンズが爆笑をこらえるために頬の裏を強く噛み、口の端から血を流してプルプルと震えていた。
イツロウは組んだ腕の中に完全に顔を埋めていた。『ダメだ……まだ笑うな。まだだ……耐えろ』彼は小刻みに肩を震わせ、チェックメイト(詰み)を確信したチェスプレイヤーのように身悶えしていた。
エリエナが恐る恐る演台から頭を出した。眼鏡はズレ、目は限界まで見開かれている。
「え、何? どういうこと!? いや! 分かったわ、破壊することで呪いを浄化したのね!」彼女は信じられないほどの負け惜しみで叫んだ。
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