第5話 俺たちのポンコツ担当がまたやらかした……(第1部)
取調室は、朝の刺すような冷たい光に包まれていた。
部屋の中央には、どっしりとした重厚な木製の巨大デスクが鎮座し、その前に容疑者用の四つの粗末な椅子が並べられている。
デスクの奥には、首元まできっちりと純白のジャボ付きクラバット(フリルタイ)を締めた、いかにも厳格そうな服装の二人組が待ち構えていた。
「座りなさい、若者たちよ」と、デスクの向こう側に座る男が重い声で命じた。
彼の四角い顎はまるで硬い石で彫られたかのようで、暗い瞳はまばたき一つせず四人を威圧している。
彼の隣では、一人の女性がエレガントな手つきで細いフレームの眼鏡の位置をクイッと直していた。
彼女の大人びた顔立ちには温かな微笑みが浮かんでおり、リラックスした肩の力も相まって、まるで優しい女教師のように見えた。
四人の悪友たちは、息を殺しながらピシッと不自然なほど背筋を伸ばして椅子に座り、その二人組を食い入るように見つめた。
「なぜ君たちがここに連行されたのか、分かっているね? いくつかの簡単な質問に答えてもらうだけだ」男が再び口を開いた。
彼はニス塗りの木のデスクの上に、分厚い両手を平たく置いた。
隣の女性は優しい微笑みを浮かべたまま、無言でその様子を観察している。
「まずは身元確認だ。名前と、出身の州あるいは国を答えなさい」
男はまるで興味がなさそうな、事務的で間延びした声で定型文を読み上げた。
エドワードが主導権を握って上手く誤魔化そうと口を開きかけた、その時……。
「俺の名前はサンズ・クジラ! 出身は日本です!」
サンズが椅子の上で堂々とふんぞり返り、空気を全く読まずに誇らしげに声を張り上げた。
エドワードは絶望に目を固く閉じ、鼻柱をギュッと強くつまんだ。
「ニホン? 聞いたことのない国だな」男が怪訝そうに眉をひそめてオウム返しに言った。
不意に、四人の少年の背後から乾いた不気味な摩擦音が聞こえてきた。
カリカリ……カリカリカリ……。
四人は一斉にビクッと肩を震わせ、ギギギ……とゆっくり首を回した。
部屋の奥の薄暗がりの中に、三人の書記官が息を潜めていた。彼らは長羽ペンを握りしめ、猛烈な勢いで羊皮紙に何かを書き殴っていたのだ。
『や、やべえ! あいつら俺たちの発言を一言一句記録してやがる!』
エドワードは心の中で絶叫した。恐怖でゴクリと唾を飲み込み、喉仏が痛いほど跳ね上がる。
イツロウが両手でテーブルをバーン!と力いっぱい叩き、取調官を驚かせた。
「あ、あの! こいつの言うことは気にしないでください!」イツロウは震える指でサンズを指差しながら、裏返った甲高い声で叫んだ。「こいつ、小さい頃に頭を強く打ってて少しアレなんです! 俺たち、ただの遊牧民で! いろんな州を旅して回ってて!」
「そ、そうです! 全くその通りです!」エドワードも首の骨が鳴るほど激しくウンウンと頷きながら便乗した。
マイクは背筋を伸ばしたまま、座禅を組む高僧のように深く、重々しく頷き、二人の必死の嘘を全力で肯定した。
「俺の名前はエドワード・ニシムラ。こっちがイツロウ・ブルト、そして隣のデカいのがマイク・タロウです!」エドワードは息継ぎもせずに一気にまくし立てた。
「ああ、なるほど。そういうことか」男は呟き、彼らのちぐはぐで窮屈そうな学生服を舐め回すように見た。「君たちは……実に奇妙な名前をしているな。その奇抜な服装もそうだが……」
彼はそれ以上追求する気はないようだった。
エドワードは寿命が縮んだ思いで、長いため息を漏らした。
「さて、私からも質問があります」
眼鏡の女性の声が、鋭い鞭のように取調室の空気を叩き切った。
先ほどの慈愛に満ちた女教師のような微笑みは完全に消え失せていた。絶対零度の冷たい瞳が、レンズ越しに四人のグループを射抜いている。
「ここにいるマイク・タロウ。あなたが正体不明の物品を不法に販売しようとしただけでなく、その取引の最中、カウンター越しに身を乗り出し、使い方を教えるという口実で本屋の女主人(司書)の胸元に密着しようとしたというのは、事実ですか?」
「ゴホッ! ゲホッ!?」
マイクが猛烈にむせ返った。顔をゆでダコのように真っ赤にして自分の胸をバンバンと叩き、汚く唾をむせ飛ばす。
彼らの背後で、一切の感情を捨てた書記官たちの羽ペンの動きがさらに加速した。
カリカリカリカリカリカリカリッ!!!
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