第4話 野郎4人、異世界でまさかの警察沙汰!(第1部)
蹄の音と馬車の車輪が、石だらけの土ぼこり舞う地面にガタゴトと重く響いていた。
薄暗い馬車の中、サンズ、マイク、エドワード、イツロウの四人は薄汚れた藁の上に座り、二対二で向かい合っていた。
異世界転生という甘い妄想は、このファンタジー世界における『現実(逮捕)』によって容赦なく粉砕されたばかりだった。だが、彼らが大人しく反省するはずもなく……。
「全部エドワードのせいだろ! お前が文字通り一番最初に逮捕されたんだからな!」
イツロウは手錠をかけられた両手を突き出し、友人の鼻先にギリギリまで人差し指を突きつけて唾を飛ばした。
「は、はぁ!? 頼むから、お前だけには説教されたくないね!」
エドワードも顔を真っ赤にして同じように指を突き返し、吠え立てた。「さっきの異常な稼ぎ方を見る限り、俺たちの中で一番重い余罪を抱えてるのは絶対お前だろうが!」
「あぁ!? なんでそんなこと分かるんだよ!? 俺がどうやって稼いで捕まったか、お前に話した覚えはないぞ!」
激しい口論の隣で、サンズは焦点の合わない虚ろな目で天井の板をじっと見つめていた。その目は見開かれたまま、完全にハイライトを失っている。
彼の震える唇が微かに動き、怨念のような悲惨な呟きが漏れた。
「不審者……扱い、された……」
「お前が何をやらかしたか、俺が推測できないとでも思ってるなら大間違いだぞ!」エドワードが吠える。
「不審者……扱いされた……」サンズは壊れたレコードのように、生気のない声で繰り返した。
「まあ、お前が何をやったかは一瞬で分かったけどな! あのジジイが嫌がらせされたってハッキリ言ってたし!」イツロウがエドワードを睨みつけて怒鳴り返す。
その瞬間、サンズは大きく息を吸い込み、肺の底から絶叫した。
「ふ、不審者扱いされたんだよぉぉぉっ!!」
彼は手錠のまま両手で自分の頭を抱え込み、乱暴に髪を掻きむしりながら、滝のような大粒の涙をこぼして幼児のように泣きじゃくり始めた。
「ちくしょう、こんなはずじゃなかったのに!」サンズはガクガクと震えながらうめいた。「これじゃ冒険者ギルドに行く前から、『ロリコン不審者』とか変な二つ名をつけられて、俺の輝かしい異世界ハーレム計画がガタ落ちになっちゃうじゃないか!」
彼はダンゴムシのように両膝の間に顔を深く埋め、頭を抱えて完全に丸まった。
「不審者扱いだよ! これじゃ完全に事案(犯罪者)扱いじゃんか! こ、これは悪夢だ、きっともうすぐ目が覚めるんだ……!」彼はヒッ、ヒッとしゃくりあげながら、精神崩壊したように体を前後に揺らした。
その向かい側で、マイクの唇がピクッと動いた。一瞬だけだらしない笑みがこぼれ、彼の無駄にストイックなポーズが崩れる。
そのあまりにも場違いな笑みに、エドワードとイツロウはピタリと口論を止め、ギギギ……とゆっくり首を回してマイクを見た。
「なあ……何で笑ってんのか、理由を教えてくれないか?」エドワードが怪訝そうに眉をひそめて尋ねる。
マイクは両膝に肘をつき、手錠をかけられた両手を顔の前で組んだ。深く息を吸い込み、さも悟りを開いた賢者のように静かに目を閉じる。
「いや、ただな……俺たちの身に起きているこの悲劇は、決して避けられない運命ってわけじゃないと思ったんだ……」
「マ、マイク……?」エドワードはパチパチと目を瞬かせた。変態扱いされて捕まった男の、突然の優しく真面目なトーンに戸惑いを隠せない。
「誰のせいかと犯人探しをしたところで、俺たちの現状は何も変わらないだろ」
イツロウは目を丸くし、思いがけない尊敬の眼差しでこの長身の親友を見つめた。
「マ、マイク……お前ってやつは……」イツロウが感嘆の声を漏らす。
「自分を哀れんで過去を悔やんだところで、このどん底から這い上がることはできないさ。前を向こうぜ」
サンズがダンゴムシ状態からバッと顔を上げた。涙で濡れたその瞳には、感動の星がキラキラと輝いているように見えた。
「マ、マイクゥゥゥッ!!」サンズは彼の尊い言葉をそのまま飲み込むように、泣きながら叫んだ。
マイクは目を閉じたまま、この世の真理を説いた神にでもなったかのように、最高に鼻につく余裕たっぷりの『ドヤ顔』を顔いっぱいに広げていった。
馬車の中に再び沈黙が戻った。ガタゴトと車輪が軋む音だけが、シュールに響き渡っていた。




