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元・神獣の世話係 ~神獣さえいればいいと解雇されたけど、心優しいもふもふ神獣は私についてくるようです!~  作者: 草乃葉オウル ◆ 書籍発売中
バナンバタウン ~勇者の一番弟子と幻のバナナ~

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第40話 バナナ狩り会議

 お通しのバナナチップスをパーティ五人で分け合って食べながら、ラカタンの話に耳を傾ける。

 ラカタンが事前に注文しておいた料理の数々が出てくるのは、もう少し先になりそうだ。


「今のプラタノ原生林はぶっとい木の根っこがそこら中に張り巡らされてて、それが意思を持ったように動いて侵入者に襲い掛かるようや。根っこには強い魔力が宿っていることから、操っているのはモンスターやとわかる」


「木の根っこによる攻撃となれば、敵は植物系モンスターと考えるのが自然ですね」


 セフィラが述べた植物系モンスターとは――。

 その名の通り草木や花、果実などに似た姿と特性を持つモンスター群。

 直接的な攻撃能力は低めだが、持ち前の生命力と繁殖力でじわじわと勢力を広げる油断ならない存在だ。


「これまでの原生林にも植物系モンスターはおったけど、ハッキリ言って雑魚ばっかや。向こうから人間に近づこうともせん程度のな。そもそも、あの原生林は素人の兄ちゃん姉ちゃんが入って、普通にバナナを持って帰ってこれる場所やったわけやからな!」


 ラカタンは額に手を当てて、眉間にしわを寄せる。


「それが今じゃあ、街に常駐してるB級冒険者のパーティを返り討ちにするくらいの魔境と化しとる。正直、高ランクのオデットがヘルプに来てくれてほんまに安心したわ。私は運命を感じてるでっ!」


 オデットに熱い視線を送るラカタン。

 対するオデットは頭をフル回転させて、記憶の中にあるモンスターと今聞いた原生林にいるであろうモンスターの照合を行っているところだ。


 そして、セフィラは別のところに疑問を感じて手を上げる。


「そのB級みたいな冒険者のランクって、その人たちの強さを表してるってことですか?」


「せやな。大雑把に言えば、Aに近づくほど冒険者は強い。ほんまは仕事の成功率とか素行とかも評価基準やけど、まぁ弱い奴が高ランクになるのは無理やな~。あらゆる場面で力を示すことが求められる仕事やし」


「ほぉ~……。では、Aの次に強いはずのB級の冒険者さんたちがやられてしまっている現状って、結構緊急事態なんですね……。A級のオデコさんに解決できなかったら、後がないってことですし……」


「私はS級だよ。Aの上の特別ランク」


 あっけらかんとオデットが言うので、全員の視線が彼女に集まる。

 もっとも、ラカタンの視線だけは他とは意味が違うが……。


「そんな特別ランクもあるんですね~! まあ、オデコさんの実力を考えれば当然の措置でしょうか。ギルドも正しくオデコさんを評価しているわけですね」


 セフィラの言葉に、オデットは少し苦笑いする。


「ちなみに特別ランクと言っても、お偉いさんになったわけではないよ。強い権限を持って人を動かすというよりは、他人に左右されずに自分の判断で動ける立場……って感じかな」


「フフフッ、まさに独断専行のオデットにぴったりの立場ではないか」


 ガルーが軽口を挟むと、オデットも「その通り!」と軽いノリで返す。


 冒険者ランクの説明も終わったので、ラカタンが話を本題に戻す。


「まあ、つまり……そんな特別ランクのオデットと神獣様の圧倒的パワーによって、原生林の未知のモンスターをぶっ倒し、どっさりとバナナを持ち帰ってくるのが今回の仕事ってわけや!」


 原生林のモンスターの情報は少ない。

 今ラカタンが語ったことがほぼすべてと言って過言ではない。


 仕事の話が一区切りついたところで、見計らったかのようにテーブルに料理が運ばれてきた。


「お待たせしました~。こちらバナナチーズボールと日替わり葉包み蒸しで~す」


 テーブルに置かれたのは二枚の大皿。

 その上には、細かいナッツのような物に覆われた黄色の球体たち、何かを包み込んでいる大きなバナナの葉っぱ。


 早く俺たちの中身を確かめろ――と言わんばかりに、どちらも湯気を立てている。

 セフィラたちの話が終わるまで料理を持ってこなかったのではなく、本当にちょうど料理の出来上がりと話の一区切りが重なっただけだと、その温かさでわかった。


「さあさあ! 料理も来たことやし、まずは私たちの出会いを祝して乾杯……って飲み物頼んでへん!? まあええわ、水で乾杯や! バナンバタウンは水も美味いし!」


 ラカタンに促され、セフィラたちは水の入ったグラスを掲げる。


「「「「かんぱ~い!!」」」」


「ほれ、我らも乾杯するぞ」


 ガルーはウェイターが用意してくれた水の入ったお皿を、ムニャー用のお皿に寄せる。

 ムニャーは前脚を使って、見よう見まねで皿を動かし、カチンッとガルーのお皿に当てた。


「乾杯だ、ムニャー」


「ムゥ……? ムニャ~!」


 この行為になんの意味があるのか、ムニャーにはよくわからない。

 ただ、みんなが楽しそうなので、楽しく鳴いておくのだった。

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