表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
未来探偵ゼノンと七つの事件  作者: 八海宵一
「05 スピーダの猟犬」
40/47

#01

     *


 ハア、ハア、ハア。

 青年の肺と心臓は、悲鳴をあげていた。

 背後から迫り来る銀色の影から逃れるため、鬱蒼とした森のなかを懸命に駆けていたからだった。いくつもの蔦や木の根が絡みつき、途中、転びかけ、四つん這いになりながらも、なりふりかまわず、青年はそのまま、逃げ続けた。

 奥に追いやられている!?

 木の間を縫いながら、その状況に気づいた彼は、苦しい胸がさらに締めつけられた。このままではいけない。そう思った瞬間、目の前に窪地があらわれた。

「うわあああああ!」

 前傾姿勢のまま落ちこんだ青年は恐怖のあまり顔を引きつらせ、叫び声をあげた。

 ヴルルルルルゥ……。

 牙をむきだし、目を怪しく光らせた獣が窪地のふちに立ち、その姿をあらわした。

 銀毛のアンドロメダ・シェパード。

「お、おまえは、やっぱり、スピーダ卿の……」

 だが、言葉はそこで途切れた。

 アンドロメダ・シェパードが、凄まじい跳躍力で跳びかかり、青年の喉笛を捕らえたからだ。

 恐怖と激痛。青年は声にならない声で絶叫した。

すると、その刹那、どういうわけか銀の魔犬は急に襲うのをやめ、天空に向かって、「オオーン!」と鳴きだした。

 それは勝利の雄たけびというよりも、青年の絶叫に応えるような遠吠えだった。

 やがて、遠吠えを終えた魔犬はふたたび襲いだし、すごい勢いで青年の腸を喰らいはじめた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ