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EDEN  狂気と裏切りの楽園  作者: スルメ串 クロベ〜
52/126

51.2階

食料の入った荷物をフードコートにある従業員室の中に置き、南側の広間にあるエレベーターまで戻ってきた。

あたしと龍之介が銃を持ってエレベーターに乗りこむ。

残った2人は心配そうにこっちを見ていた。少しだけ不満そうにも見える。


「それじゃあさっき言った通りにお願いね?周りにも気をつけて。」

「は、はい。お二人も気をつけて!」


扉が閉まり、2階へと降りていく。

…緊張で手が震えてきた…。やっぱり怖い…けど、もう時間がないかもしれない。

エレベーターが止まり、扉が開く。開いた先には幸い何もいなかった。

あたしと龍之介はGフォンで上に残った2人に通話する。


これが2人を上に残す為の案。

上の階から2階を監視してもらい、あたし達が調べる。

これなら何かきてもすぐに分かるし、2人を3階に置いていける。

一応3階の2人には、片方が周りを見る様に言ってある。怪物や、他の人が襲ってくる可能性があるから用心はして欲しいから。


「2階に着いたよ。今の所何もないけど、そっちから何か見える?」

『いえ、特に無いわ。今のうちにそこを調べてもらえる?』

「わかった。近くに何か来たら教えて。…じゃあ龍之介行くよ。」

「ああ。俺が前に出るから後ろから来てくれ。」


ショットガンを持っている龍之介の前にいるのは危ないし、言われた通り後ろをついて行く。

壁際から、広間中心に移動して辺りを確認。

…この広間、何も店がない。殺風景な空間が続いている。

ここで何かあればそれでよかったけど、そう上手くはいかないか。


上階の2人に主通路に行くことを伝えて、移動する。

できれば何事もなく、カードキーや武器が手に入ればいいのだけど…








主通路に出て上階の2人を確認する。うん、ちゃんといる。

それにしても…吹き抜けの柵がほとんどない。あったとしても捻じ曲がって落ちかけている。

これ奴がやったんだと思う。人間よりも硬い柵が、粘土のように捻じ曲げられているのを見て嫌な想像をしてしまう。

もしここでやつに会ったら、これと同じように捻じ曲げられて殺される。

…そうなりたくない…集中しないと…。龍之介も青い顔をしていた。多分あたしと同じことを思っているんだと思う。


「龍之介、こうはなりたくないし気をつけて行こう。」

「ああ…けどなんで人型は3階に来ないんだ?こんなことができるなら、壁を伝って上に行けそうだが…」

「さあね…考えてもわかんないし、今は見つからないように移動する事だけに集中しよ?」

「そうだな。それにカードキーが手に入ったら、相手をする必要はないし考えるだけ無駄か。」


下階の怪物が上に来ない理由か…でも蜘蛛も怪物と、狼は来ていた。

そうしないって事は、何か理由があるんだと思うけど…後にしよ。

ゆっくりと深呼吸をし、心を落ち着ける…

目的はカードキー、もしくは武器類。時間はまだ余裕があるから、落ち着いていこう。


上階の2人に移動することを伝え、あたし達も移動する。

…1、3階と違って2階にはほとんど店がない。空の店にある従業員室も調べてみたけど、何もない。

本当に武器やカードキーがあるの?…まあ、まだ調べ始めてばかりだ。


北側の奥を目指して移動する。…時々銃声や、叫び声が聞こえる。

…そろそろ他の人も限界だったんだと思う。状況は悪化するばかりで、よくなる事がない。

このまま何も変わらないと、人同士で奪い合い…もしくは変異が至る所で起こるかもしれない。

止めたいけど…それをしている時間がない。けどカードキーが手に入れば、変えられるかもしれない。

早く見つけないと。…でもどんなのなんだろう…せめて形がわかればいいのに。


「もしもし、こっちは今のところ何もないけどそっちはどう?何か見える?」

『いえ、そっちの先には何もいないわ。…ちょっと待って…最悪。こっちに人の死体がある。おそらくさっきの銃声は…』

「…わかった。こっちは待機するから2人は隠れて。まだ近くにいるかもしれない。」

『ええ、そうするわ。舞、吐くのは我慢して。移動するわよ。』

『…うぅ……はい…ぐす…』


上階の2人の安全が確認できるまであたし達は近くの空の店で待機する。

広い空間だ。四つぐらいの店が繋がってるみたいだ。あたし達がいる場所の反対側奥に従業員室の扉も見える。

まあ見通しがいいいから、何か近づいて来たらすぐにわかる。それに広い方がいざという時戦いやすいからここで待機しよ。

…今の所何も成果がない。正直あのメモは罠だったんじゃないかとも思えてくる。


けど他に手がかりがない以上、それを信じるしかなかった。

もっと情報が欲しい。でも手に入れる方法がわからない。

今思うと外出禁止時間で作業服を着た奴らを…殺しておけばよかった。そうすれば、こんな煩わしいことをしなくて済んだのに…

ああ…まただ。怪物に変異しかけてから、ずっとこの調子だ。すぐに誰かを殺すことを考えようとしてる…


これも変異の影響なの?…もしそうなら変異しなかったとしても、殺し合いになるかもしれない。

できればあたしの性格が悪いのが原因だといいのだけど…それも嫌だな…

……ん?


何かの足音が聞こえる。

…まだ少し遠いからか、龍之介は気付いてない。

2階で足音をたてる奴なんてあいつしかいない…


「龍之介、従業員室に隠れるよ。…多分奴が来てる。」

「?!マジか…分かった。通路には出れないな…音を立てないように移動するぞ。」


足音に気をつけながら奥へと駆ける。

近づいてくる奴の足音の感覚は変わってないから…まだ気づかれてない。

気づかれることなく従業員室の前まで来る。

ドアノブを回す。


「え?…なんで…」


…ドアノブを回しても扉が開かない。


なんでここだけ鍵が…

背筋が凍る。それを見ていた龍之介も完全に固まっていた。

耳鳴りがする…その音はまるで、誰かがあたし達を嘲笑っているかのように聞こえる…


近くにレジとそれを置く台が設置されているが、操作すると音が鳴ってしまう。

それはできないだって…

…もう足音はすぐそこまで近づいている。もうすぐそこまで…

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[良い点] 変異しかけてからどんどん思考が侵食されてる感のある結ちゃんは果たして大丈夫だろうか そして狙い澄ましたかのようにロックされてた扉に結ちゃんのトラウマな人型と順調に次の恐怖体験フラグが出来上…
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