表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
EDEN  狂気と裏切りの楽園  作者: スルメ串 クロベ〜
49/126

48.変質する意識

みんなと一緒に広間に入る。

足並み揃えて移動している中、栗原だけが先に進んでいってる。

早く行きたいのか、こっちを急かしてきて面倒だ。もう少し警戒とかして欲しいんだけど…


「ちょっと栗原!先に行きすぎ!」

「あん?見えるところには何もいねーじゃねーか!大丈夫だっての!」


そう言われるがさっきから何か聞こえる気がする。

けど周りには何も見えない。店が並んでいるだけだ。

…なんだろうこの音…羽音?まあ1階は怪物の死体も多いからハエぐらい…


「!栗原しゃがんで!」

「え?は?な」


その言葉の先を聞くことはできなかった。

なぜなら、栗原の頭が鼻の上からなくなっていたからだ。

体を制御する脳がなくなった彼の体は、ゆっくりと地面に倒れ込んだ。

断面からはピンク色の脳が地面に垂れている。


その近くに血が落ちて来ている。

ポタ…ポタ…と天井から水滴が落ちるように…

その先を見て音の正体に気づいた。


緑の巨大な虫がそこにいた。


「でっかい…カマキリ…」

「…栗…原さ…っひぃ!」


怪物はずっといたんだ…ただあたし達が気づいていなかっただけ。

天井に身を隠して、獲物を待っていた。

今も殺した獲物を鋭利な鎌で突き刺し、口に運んで咀嚼している。


「!みんな下がって!龍之介は後ろで撃って!」

「え、あ、ああ!」


拳銃で牽制しつつ、急いでみんなを入り口まで下がらせる。

今は惚けてる場合じゃない、とにかくこいつを殺さないと…

天井のやつめがけて撃つが、全て鎌で弾かれた。

硬い!…銃弾の跡すらついてない。あたしの拳銃じゃダメだ。


後ろから龍之介が撃ち、無数の弾が飛ぶ。

何発か体に当たったが、効いている様子がない。

多分遠すぎるせいだ…弾が広範囲に散って威力が出てない…


あたしが考えている間にも怪物の鎌は迫る。

蛇人間とは比べ物にならない早さだ。それにリーチが全然違う。

天井まで4、5メートルはある。にもかかわらず、伸ばした腕はあたし達がいるところまで迫ってくる。

どうする…攻撃しようにも近づかないといけない。

けど他のみんなを守りながらは無理だ。


…守る…?守る必要ある?別に誰が死んだって…どうでもいいじゃん…それよりも…


…あたし今変なこと考えなかった…?

ちゃんと集中しろ!…どうやって倒すかだけ考えるんだ。


「龍之介みんなをお願い!それとショットガン借りる!後栄華ナイフ貸して!」

「は?!えちょおい!」

「わ、わかったわ!これ!」

「こっち投げて!」


龍之介からショットガンを奪い取り、静華が投げたナイフを手にとる。

…短いな。けど切れればなんでもいい。

まずは片手を潰す!あたしは怪物の足元まで走る。


天井の奴は体を支えるために、常に片手を天井に刺している。

なら片手を潰せば天井から降りてくるはず…

そう考えていると、横から鎌が迫ってきている。


瞬きしただけで、すぐ眼前まで迫る速度。

確かに速い。…ならそれを逆手に取ればいい…


首元に迫っている鎌を躱す…空中で。

鎌が通り過ぎる直前に鎌の根元にナイフを当て、振り抜く方向とは逆方向に切り付ける。


「っつう!はあああ!!」


パキンっと何かが折れる音がした。…ナイフの刀身がない。

腕も切り落とせんかった…でも、鎌が垂れ下がりなんとか繋がっている状態だ。

これであの腕はもう使い物にならない。


黒い影が天井から落ちてくる。

まじかで見ると本当に大きい。狼と同じくらいある…

けど巨体の割にあまり重さがないのか、地面が揺れることはなかった。


「ふふ…いいじゃん…」


いいよ…楽しくなってきた…

まずは足を切り落とす。…けどナイフはさっきので折れちゃった。

何か刃物…あるじゃん。あいつの腕を引きちぎればいい。


使い物にならなくなったナイフを投げつけ、走る。

武器と思ったのか、それを残った鎌で弾いた。…これで銃弾を防げない。

ショットガンを両手で構え、撃つ。拳銃とは比べ物にならない衝撃が走る。


けどその分威力は絶大だ。怪物の体に無数の穴が空き、そこから体液を流し苦しんでいる。

すぐに垂れ落ちた腕に近づき、全力で引きちぎる。…思ったよりも簡単にちぎれた。

ちぎれた先からも液体を流し、地面が汚れていく。


あたしの身長ぐらいある鎌を足を切り落とす。

体を支えるものがなくなり、崩れ落ちた。苦し紛れに腕を振っているが、遅い。

簡単に弾き飛ばし、残った腕も切り落とす。


「ふふ…これで終わりだね…楽しかったよ…」


ゆっくりと怪物に近づく。地面は撒き散らされた体液がいくつもの水溜まりを作っている。

靴が汚れ、飛んだ体液が足を汚しても気にならなかった。

そしてあたしは手に持った鎌で、怪物の首を切り落とした。


切り口から噴き出た液体があたしを汚していく。

けどそんなのはどうでもいい。

だってさ…


「ふふ…いい気味だね…」


今こんなにいい気分なんだから…



怪物を殺してしばらくは楽しい気分だった。

けど、時間が経つとそんなおかしな熱も引いていく…

冷静になってハッとする。


「みんな怪我とかない?」

「あ、ああ…俺らはなんともない…」

「そっかならよかった。…ああーまた着替えないと。」

「………」


?みんながあたしを見ている…その目は前にも見たことがある気がする。

まるで異常なものを見る目。

…どうしてそんな目であたしを見るんだろう…だってあたしはこんなにも正常なのに…


side:龍之介


…結の様子がおかしい…元からどこかおかしいやつだったが、今はその時とは違ったおかしさだ。

そもそもあいつ怪我してたよな?今だって腕にタオルを巻いて止血してる。

俺が治療した時には出血が多すぎて、詳しくはわからなかった。けどあの怪我はすぐに治るようなものじゃない。


それに昨日まで死にそうな顔をしていたやつが、今は普通に怪物を相手にしている。

どうなっているんだ……わかんねえ…いや、わかりたくねえ…

だって思い当たることが一つだけある。けどそれだと認めたくない。


認めたらあいつを…別の生き物だと思ってしまうから…


けど、怪物に嬉々として向かっていく姿。

見間違いだと思いたいあの…楽しそうな顔。

そして、腕を引きちぎった瞬間のあいつの瞳の色。


その全てが、あいつが俺の知っている結とは違うんだと思わせる。

そんな姿を見て俺は結の援護をすることすら忘れ、ただ見ていることしかできなかった…

グリッドマンとダイナゼノン見ていて遅くなりました。

感想コメント、評価、いいねお待ちしております。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ