47.1階再び
不本意ながら、協力者ができたので5人で行動することに。
1日目の時は仲間ができるか不安だったけど、今は3人もできた。
こうやって少しづつ協力できる人が増えていけば、あたしだけじゃできないこともできるようになる。
…まあ今ついてきているやつみたいなのもいるけど。
とにかく合流できたので1階に移動する。
あたしを含め4人は拳銃を、龍之介はショットガンを持って移動している。
相変わらず1階は酷い有様だ。けど、周囲に怪物は見当たらない。
あたしを先頭に、龍之介を最後尾にして移動する。
もしかしたら、大型の怪物がまだいる可能性だってある。注意しておかないと。
あとさぁ…
「ねえこっち睨むのやめてくれない?」
「…ああ?睨んでねえよ…」
「いやめっちゃ見てんじゃん…てかあたし、あんたに食べ物あげたじゃん。あれでチャラにしてよ。」
「あんなんで納得するか!…くそ!なんでこいつがいるんだ…」
「それこっちのセリフなんだけど…はぁまあいいや、とにかく集中して。どこから怪物が出てもおかしくないから。」
「お前に言われなくても…?!わ、わかったよ…」
急に素直になった、なんなんだ?
後ろを見てみると、龍之介が栗原の肩に手を置いて睨んでいた。おお、こわ〜。
もう栗原のことは龍之介に任せておこう。あたしは先頭でみんなを守らないと。
…しばらく歩いて一つ目の広間前に着く。
ここまで怪物は出てこなかった。…やっぱり数が減ってる。
龍之介が倒したっていっていたけど、全く出てこないのは不自然だ…
それと、ここまでめぼしい店はなかった。
嗜好品が売っている店とかはあったけど、ほとんど中が食い荒されていて食べれそうなものはなかった。
…本当に食べ物なんてあるのだろうか。
「ここまで来たけど、使えそうなものはなさそう。どうする?奥まで行く?」
「当たり前だろ!ここまで来たのに引き返せるかよ!」
お前に聞いてないから、黙っててほしい。
「…一応奥まで行こう。何もなければ、2階を調べに行けばいいしな。」
「わかった。けどここまで怪物が出てきてない。多分奥に集まってる可能性があるから気をつけて行こ。」
「…あ、あの!そこの広間は調べないんですか?」
「ああ、そこはやめておいた方がいいよ。ちょっと前にでかいワニがそこにいたから。」
あのワニ通路広間の半分ぐらいの大きさだったから、死体でも邪魔になる。
そんなのがあった場所の食べ物なんて体壊しそう。わざわざ探しても無駄になる確率が高いなら後回しでいい。
そういえば、あの時はワニと狼に挟まれて危なかったなぁ…
なんとか生き残れたけど、ほとんど運だよりだった。もう一度やれって言われたら絶対に断る。
「おい!さっさと行こうぜ!久々に腹一杯食いたいぜ…」
「ああはいはい、わかった。それじゃ行こっか。」
あたし達は広間を後にして先に進んだ。
広間を後にして進んでも、ほとんどの店が同じ状態だった。
どの店も荒らされていて使えるものがない。従業員室も同様で、扉をこじ開けられており中も荒らされていた。
たまに無事な扉もあったけど、店内が荒れているせいで扉まで辿り着けなかったり、扉前の瓦礫のせいで開けなかった。
中にはドアノブが捻じ曲がっているものなどもあり、3階のように入ることすらできないことが多い。
なんだろうこの違和感は…怪物達が争ったにしては無駄に店内が荒れている。
そもそもなんで従業員室を開けようとしたんだろう。
それに3階にいた奴らはこんなことしてなかった。ひょっとして個体差がある?
そういえば変異した蛇人間は銃弾を避けていたけど、普段会うやつは避けなかった…
人間があの薬で変異すると、強い怪物とか変な行動をするようになるの?…わからない…
…あの時あたしの腕が怪物になっているのを見た。
この施設で目を覚ましてから注射をされたことなんて……
そこで、思い出す。…そうだ…1回ある…舞に注射を打たれた。あれが怪物になる薬?
…今確認するか…いや他の人もいる。後にした方がいいか…舞に疑いの目が向くとみんなが不安になる。
それにあたしにも…それは避けないと…
「結さん?どうしました、ずっと下見てますけど…」
「え、あごめん。ちょっと足元が悪くて…前を見ないとね。ありがとう。」
「いえ…あのもしかして体調が…」
「ううん大丈夫だよ。」
「そうですか…でも無理はしないでくださいね?」
「うんありがとね。舞も疲れたら言ってね?」
お礼をいい前を見て歩き出す。
体調が悪いか…
「誰のせいだと思って…」
ふと口から漏れた。
……今あたしなんて言った?
慌てて後ろをみる…よかった聞こえてないみたい。
…違う舞は悪くない。あの時は仕方なかった。そう仕方なかったはずだ…
二つ目の広間前に来た。
ここに来る途中で蜘蛛の怪物が2体、蛇の怪物が1体出た。
けど戦い方がわかってるおかげか、苦戦はしなかった。
蜘蛛も龍之介がショトガンを持っているおかげで相手にならない。
いやそれだけじゃない。…単純に弱かった。
蛇人間は出てきた時から足取りがおぼつかず、ふらついていた。
蜘蛛も足が何本かなくなっており、目もいくつか潰れていた。
怪物同士で争っていたのか…それとももっと強い怪物に襲われたのか…
ここまで苦労しなかったけど、ここからはもっと気を引き締めた方がいいかもしれない。
それとここまできてわかったことがある。
1階にはセーフルームがない。3階にあった場所と同じ場所にあるかと思ったけど、なかった。
他の場所も探してみたけれどここまで1つもない。
ここで時間切れになるのは避けないと。せめて1時間前には上階に戻っておきたい。
そう考えながら広間を見ていると、
「ねえ結。こっちの広間は調べた方がいいかしら?」
「うん、こっちはまだ見てないから調べた方がいいかも。それにエレベーターがあると思うから動くか見ておかないと。」
静華の提案に乗り広間を探索することに。
ここまで成果がない。そろそろ何かほしいところだ。
広間を進んでいく。構造は一つ目とそう変わらないみたいだ。
ただ違っていることがあった。
…奥に進む前に気づいておくべきだった。…大きな羽音に。
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