44.狂気を超えて
地面の硬さを体に感じる。どうやら意識を失っていたらしい。
それよりも……なんか臭い…なんの匂い?
目を開けて確認してみる。…原因と思うものが多すぎる…
食べ物の空箱や、空の缶詰が散乱して臭っている。けどそんなのは軽い。
1番の原因はあたしの服からだ。…血まみれの服の状態でシャワーなんて浴びたせいでものすごいことになってる。
それに服が湿っていて気持ちが悪い、早くシャワー浴びて着替えたい。
あたしは体を起こして、伸びをする。
「っつ…んっ〜!床で寝てたせいか体痛い…」
そういえばあたしってよく床で寝てるなぁ…
ってそんなことよりも、早くシャワー浴びて着替えよ。
…シャワー室に入って気づいた。洗面台の鏡が割れて、破片が地面に散ってるよぉ…
ひとまず後で考えよう…今はそれよりもこの悪臭をなんとかしたい。
破片は後で片付ける…って箒とかないじゃん。どうしよ…
破片に気をつけながら浴室に入り、汚れた服を脱ぎ捨てる。
…よく考えたら、右手怪我してるのにシャワー浴びるのはダメかも…
そういえば、痛みがない。それに寒気や吐き気も感じない。一体どうして?
タオルを外して怪我の具合を確認する。
…何これ…
右腕の傷があった場所…そこには薄皮が張っている。
肉がえぐれて、骨が見えているような重症だった…それにどす黒くなっていた傷口も何事もなかったかのように元通りだ。
どうして?怪我を負ってからまだ1日と経ってない。それなのに、こんな言われないと気づかない状態になっている。
正直、怪我が治ってよかったとか、嬉しいとかそう言った感情よりも…
異常だ…そう思った。
…今は考えるのはやめよう。
シャワーを浴びて出ようとした時、割れた鏡が目に入る。
そこに写ったあたしの目が一瞬赤くなっているように見えた。
…気のせいだ。そう、きっと幻覚を見たせいだ…そう思いたい…
シャワー室から出てGフォンを確認する。
時間はPM9:53…ってそうだ!みんなに連絡しないと!
すぐに通話を押し、一番上にある静華に連絡する。
プルルル…プルルル…
「あっ!静『結?!大丈夫?!怪我の具合は!体調とか大丈夫なの?!』」
「あはは…心配かけてごめん。怪我とかは大丈夫、もう動けるから。」
『そうなの?真壁先生からは重い怪我って聞いたのだけれど…あなたがそう言ならいいわ。』
「うん。今日はもう時間がないから明日、合流するね。」
『ええ、そうしてちょうだい。今はフードコートの近くのセーフルームいるから、明日はフードコートで落ち合いましょう。」
「わかった。朝一で向かうから。…そうだ他の2人は?一緒にいるの?」
『ええ、いるわ。…後ろでこっちを凝視してきてるから少し怖いのだけれど…』
「なら少し変わってもらえるかな。」
聞こえてくる声が変わる、この声は舞だ。
『結さん?怪我は大丈夫ですか?』
「うん、大丈夫。心配かけてごめんね?」
『そんな!わたしのせいなんですから、結さんが謝ることじゃないですよ!こっちこそすみません…』
「舞のせいってわけでもないでしょ?だからお互い謝るのは無しで。ね?」
『…はい、気を使わせてしまって…すみません…』
「いいの!それより明日合流するからよろし」
ツー…ツー…ツー…
ん?あれ切れた…なんで?
Gフォンを見ると、
『外出禁止時間中はセーフルーム内で通話、メールはご利用できません。』
…めんどくさ。仕方ない明日合流してから話そう。
みんなには心配かけたし、安心させてあげないと。そうと決まったら早く休む!
あたしはGフォンをベット脇にあるケーブルに刺して、ベットに寝転ぶ。
さっきまで気を失っていたから寝られないと思ったけど、疲れていたからかすぐに眠りに落ちた。
初めてだ。明日が楽しみな気分で眠れるなんて。
…そういえばさっき真壁先生って言ってなかった?
…夢を見ている。いつもの過去の記憶だ。
他いつもと違うのは、至る所にノイズがかかったように見えない。
私は彼女がいる場所を目指して階段を駆け上がる。
途中見える廊下には**が転がっている。
…今は気にしている場合じゃない。私は**を目指して走る。
私の*****、**を**ために。
目的の**の前、後ろの窓からは***の****の光が差し込んでいる。
…中からは何も聞こえない。私は**の扉を開ける。
…………そこで目が覚めた。
さっきのはなんだろう。子供の時の記憶とは違う。
記憶には違いないけど…でもいつもとは違って…
…ってそんなことより、みんなに会いに行かないと!
あたしは夢のことを考えるのをやめ、シャワー室に向かった。
その後汚れた服や、ゴミを破れた鞄で縛り固める。
拳銃は持っていたけど、それ以外はなかった。多分、龍之介達が持っていると思う。
それと着替えは舞が選んだのだろう、白のニットにスカート。よかったフリルとかついてなくて…
それと腕の傷跡にはタオルを巻いておく。
龍之介には怪我を見られてるから、今の状態を見られて不審がられたくない…
今のあたしにはわからないことが多い。あたしの怪我はなんで治った?
それに栄華さんは変異のことや過去のあたしのことも知っているみたいだった。
もう一度ちゃんと話をしてみないと…。それに、脱出する手段も探さないといけない。
やらなくちゃいけないことも、知らなくちゃいけないこともたくさんある。
もう振り回されるだけじゃだめだ。
あたしが探すんだ。みんなを助ける方法を。
そして取り戻すんだ。あたしの記憶を。
さあ、5日目の始まりだ。
やっぱり気に入らなかったので、書き直しました。
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