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EDEN  狂気と裏切りの楽園  作者: スルメ串 クロベ〜
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41.消えゆく命

「だ、だめ…よ!……だ怪物が……かも…!」

「だか……って、この…………!それ……いが!」


…誰かの話し声が聞こえる…

…………体に力が入らない…目を開けるのも辛い……

自分の体が空間に溶けているようで曖昧だ…痛みも、熱も、何も感じない…

…うっすらと目を開ける…


「……眠れないから…静かにしてほしいなぁ…」

「?!神代!目が覚めたのか!おい、どこか痛むか?!調子は!どうなんだ!」

「あ、あの!そんなにしたらだめですよ!神代さんの事も考えてください!」

「っ!あ、ああ…悪い…。だが…」

「……あたしなら…大丈っゲホ!ゴホ!……大丈夫だから…」


意識が戻ってもさっきまでと変わらず何も感じない…

もしかしたらもう…まだだめ…ここで死んだら重荷になる…それは出来ない…

……それに…頼んでおく事もある……


「まか…べさん、頼みが…あるの…」

「?なんだ、なんでも言ってくれ!」

「…最奥の…壁付近の床を調べ…てほしい…」

「はあ?!そんなの後でもいいだろ!お前今自分がどんな状態か」

「お願い……ふふ…そうだ…後ご飯もよろしく…」

「!お前…ああ、わかった…調べてくる、食いもんも任せておけ…!行くぞ雪原。」

「え?!神代さんをこのままにしておくんですか?!」


…あれ、雪原さんがいる…

いつの間に真壁さんと会ったんだろう……


「…雪原さん……よかった…生きてたんだね…」

「は、はい…神代さん……あの…わたし……」

「いいよ…わかってるから…怖かったんでしょ?」

「…え?」

「あの時…あたしがっゴホ!…ちゃんと説明してなかったから…不安になったんでしょ?」

「で、でも!そのせいで…わたしのせいで!神代さんが!…何度も助けてもらったのに!」


……泣かないで…あたしは……気にしてない…

雪原さんがずっと…不安だったのは知っていた……そのことを後回しにして、向き合わなかったから…

それに…真壁さんにも会えたから……だから………ああ、声出すのも…しんどい…

でもちゃんと伝えないと…


「…それなら…あたしと友達になって?…それで…許してあげるから…」

「!わたしなんかで…いいんですか?…だってなんの…グス、役にも立てない…わたしなんかで…」

「関係ないよ…。それに…鍵を見つけ…て鞄を手に入れられたのは…雪原さんのおかげでしょ?」

「そんなの…わたしじゃなくても…」

「あたしにはできなかった……だからっゲホ!ゴホ!…もっと雪原さんを知りたいから…友達に…なって?」

「……はい!わたし…ぐすっもっと頑張りますから!だから!」

「うん…今は真壁さんをお願い…舞…」


2人があたしを置いて出ていく……ああ…やっと気を抜ける……?!


「ゲホ!ゴホ!ゴホ!…うっぷ…?!…はは…」


ああ…これはもうダメかもしれない…

口から溢れ出た、赤い液体を見てそう思う……

こうなった…原因は、なんだろう……………右腕の怪我をちゃんと確認してない…

真っ赤に染まったタオルを剥がしてゆく…血は止まっている……むしろなぜ止まっていのかわからない…


筋肉がえぐれて、骨が見えてる……

傷口付近は壊死してるのか真っ黒に染まっており…ところどころ黄色い膿が出て切れた肉と混じってぐちゃぐちゃだ……素人目で見ても…これはもう…

…はぁ…そりゃこんな怪我してて…尚且つ…怪物の返り血まみれの服を着てたらこうなるよね……

あたしは……タオルを巻き直し、手の血をそれで拭う…口の中の血は、鞄の中にあった水で流し込んだ…

…2人にこれ以上心配はかけたくない。


…ああ…………また…眠くなって………







…誰かに体をゆすられている……いつの間にか眠ってたのかな…

ひどい眠気を感じながら、ゆっくりと目を開ける…

2人とも、無事戻ってきた…よかった…


「神代…お前の言ったところを探したら、これがあった。これが本当なら…」


そう言って見せてきたのは…紙の切れ端。

そこには何か書いてあるが、視界がぼやけて読めない…

けど、真壁さんの様子を見るに何かいいことだったに違いない。


「…もう少しで外出禁止時間も終わる…怪物もいないから、今のうちにセーフルームに行こうと思うが…動けるか?」

「ゲホ!ゲホ!はは…むりぃ…おぶってもらえる?」

「ああ、任せろ。…使える場所に心当たりはあるか?」


……最初の場所……いやまだ使えないかな

他の場所…あそこならまだ使ってない…


「最奥の壁際…右手に……あると思う…」

「…わかった。運ぶからその間寝てろ。」

「うん…ありがとう………龍之介…」

「?!…なんでここで名前で呼ぶんだよ……。ちゃんと運んでやるから、死ぬなよ…結。」


だってここで呼んでおかないと、もう言えないかもしれないから…そう思ったけど絶対に口には出さない。

真壁さん…龍之介には本当に感謝してる。この人がいなかったらあたしは、無駄死にしていた…

本当にありがとう…


「あ、あのっわたしが、みんなの荷物を運びます!」

「ああ、頼む。…触っても後で殴らないでくれよ?」

「はは…考えとく…」


…このやりとりも…もうできない…

道中何度も咳き込んで…時折血を吐いた。

その度に、右手のタオルに吐いて誤魔化した…少し飛んだかもしれないけど…

自分の存在がひどく曖昧だ…今見ているものも、夢か現実かわからなくなってきてる…

…あたしに残された時間はあまり多くない…

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