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EDEN  狂気と裏切りの楽園  作者: スルメ串 クロベ〜
25/126

25.少女の思い side:雪原 舞

1日目

最初に目が覚めた時、わたしただ怯えていることしかできませんでした。

知らない場所で記憶がない、そんな状況をわたしは受け入れることができません。

同じ部屋で目が覚めた2人、この人たちもわたしと同じように困惑していました。

必死に今の状況を見極めようとしている石塚君。

怒った顔で扉を蹴り続ける麻倉君。

そんな2人をわたしはただ怯えながら見えていることしかできませんでした…


「なあ!そこの機械にこいつをかざせば出られるんじゃね?」


ふと麻倉君が扉近くの機械を見ながら言いました。

石塚君も近づいて確認しています。


「確かに…そうかもしれない…。だが今はみんな取り乱していて冷静に判断できない。今日はここから出ないほうがいいと思う。」

「ああ?俺は取り乱してなんてないぜ?そこの女だけだろ?」

「ひっ…ご、ごめん…なさい…」

「おい、あまり彼女を責めるな。ここは協力していくべきだろう?」

「…ちっ!あーはいはい!わかりましたよ!ったく、足手纏いが…!」

「…………………」


その通りでした…わたしはなんの役にも立ちません。

2人が話している時もわたしはずっと部屋の隅で震えているだけでした…

わたしも何かしなくちゃいけない。そう思っていたのですが体が…心が動いてくれません…

何かとても…とても大切なものを無くしてしまった…漠然とそう感じていました。

結局その日は部屋から出ることはなく過ごすことになりました。…ただ夜に麻倉君が出ていこうとしていましたが。

でも扉が開かずに諦めていました。





2日目


目が覚めると、2人が喧嘩をしていました。

昨日からなにも食べていないのと、緊張や不安で2人ともすごく機嫌が悪そうでした…


「だからよ!このままここにいてもなにも変わらねえだろ!」

「だが外が安全である保証なんてないだろう!ここで助けを待つべきだ!」


わたしはそんな言い争いをただ聞いていることしかできませんでした…

しばらくするとモニターに映像が流れました。その内容を見て麻倉君が、


「へ!やっぱり外に出るしかねえじゃねえか!時間の無駄だったな!」

「っ!だが!……いやそうだな僕が悪かった…。少し慎重になりすぎたみたいだ…」

「…ッチ!あーもういいわ…。さっさここから出ようぜ。あー腹減った…」

「ああ…そうだな…。雪原動けるか?」

「…っ!あ…え…は、はい…」


わたしはただ2人についていくことしかできませんでした。

……本当にわたしは役立たずです。




外に出てみるとそこはショッピングモールでした。

最初に見たときはあまりにも唐突で、唖然としてしまいました。

2人もそうだったみたいで、しばらく動けずにいました。


「…なんだ、ここは?なんで誘拐されて、ショッピングに来てんだ?」

「いや…僕にもわからない…。なんなんだここは…」


しばらくすると、これからどうするかの話し合いが始まりました。

…わたしはただ聞いていることしかできませんでした…

どうしてわたしはここにいるの?何か言おうとしても、言葉がうまく出ません…

そんなわたしの態度に麻倉君が怒っています…。でも悪いのはわたしなんです…ごめんなさい…

ずっと言い合いを続ける2人。時々こちらを石塚君が見ています…な、何か言わなきゃ…


「あ…あの…ケ、ケンカは…」

「お前は黙ってろ!」

「きゃ!…うう…」


そう怒鳴られ、突き飛ばされました。うぅ…どうしたら…

そう思っていると、麻倉君がどこかを見ています。

…そこにはわたしと同い年くらいの女の子がいました。


オレンジの髪に銀の髪飾りをつけた人。でも服装が私たちと違います、わたし達は学校の制服を着ていましたが、この人は違っていました。

なんでしょうか…少し懐かしい気がします。もしかしたらこの人と会ったことがあるのかもしれません。

神代 結…その名前にも覚えがあります。でも思い出せません…

そんなことを考えていると、手を差し出してくれました。


「ねえ大丈夫?立てる?」

「あ…ありがとう…ございます…」


わたしなんかに手を貸してくれました。とても優しい人です。

…でも、どこか不安になるのはなぜなのでしょうか…







神代さんはすごい人です。わたしなんかとは違います。

会ったばかりなのに、ふたりをなだめていました。…すごいです。

それに昨日も1人で外に出ていたそうです。…とてもすごいです。

石塚君が昨日からなにも食べてないと伝えると、食べ物もいただけました…本当に申し訳ないです…


…不思議です。石塚君と麻倉君、2人と話すときはすごく緊張してなにも言うことができませんでした。

でも神代さん…この人にはあまり緊張しません。同性だからでしょうか?でもそれだけじゃない気がします。


「雪原さん大丈夫?疲れてない?」

「あ…はい…その…大丈…夫…です…」

「そう?もし辛かったら言ってね?」

「はい…」


移動中もずっと気を遣って貰えているのがわかります。…申し訳ないです…

わたしも神代さんのようになりたいです。そうすれば…皆さんの足手纏いにならなくてすみます…

けれどそれと同時に彼女に対して、不安な気持ちが心に引っかかり続けていました…

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