92話 謀略
ハーク帝国ライグランハークの私室ーー
リアス教司祭ラングとの謁見後、ライグランハークはラングを自室に招いていた
「で?神話の「千年ののち恩寵と共に我の元に訪れよ」を消すのだろう?」
「流石陛下、その通りでございます、、、」
この方は聡明だ、ラングは心からそう思った。
自身の恩寵が何百年とかけてだした結論に
この一瞬で辿り着かれたのだと
「それで、どうやって?」
「民は神話を実際に書き換えたら最初は違和感こそあれ、何世代かすれば自然と新しい神話を受け入れるでしょう」
「うむ」
「よって、我らが成すべきは」
「恩寵士の調略か」
「左様です」
「ふむ、、、帝国の恩寵士には余が声をかけておこう」
「よろしくお願いいたします、それ以外の恩寵士に関してはこれから数年をかけて私が説いて回ります」
「やれるのか?」
「必ずや」
「よかろう。まぁ、、、現場で実際に魔物と戦い民を守り続けている恩寵士は大なり小なり肌で感じておろう」
「ええ、恩寵を返す事は容易ではない、と」
「だが、最大の障害は、、、」
「聖女ミリア様ですね」
「ああ」
「そこで、陛下のお知恵をお借りしたく、、、」
ライグランハークはしばらく黙っていた。
そして、ゆっくりと口を開く。
「聖女は、リアス様への信仰そのものだ、神話の改竄など決して受け入れぬだろう」
「はい」
「問題は、恩寵キーソの記憶か」
「その通りでございます」
ライグランハークは目を閉じて逡巡する
「ラング殿には酷な事になるだろうが、策はある、、、」
「覚悟の上です」




