90話 ライグランハーク皇帝
「厳しいな」
ハーク帝国第22代皇帝ライグランハークは地図を眺めながら言う
「やはり北はその、、、ゼロソウルの地以外は、、、」
「うむ」
「やむを得んな」
「既に失われし恩寵の地は捨て、北の防壁工事はゼロソウルを中心として、計画し直せ」
「ハハァ!」
「失礼します!ライグラン陛下にご報告が、、、」
大きな身体の青年将校が入ってくる
「ドスドッチンか、申せ」
「ハッ!」
「その、、、教会、国家連合、キョーエイ王国からの連名で、、、人類領域拡張事業への協力を今年いっぱいで打ち切るとの事です」
ライグランハークの表情はピクリとも動かない
「続けよ」
「ハッ!その、、、ここ数百年領域拡大どころか、貴重な恩寵領域を失うような無茶な事業にはその、、、」
「もう協力できんと?」
「その通りです」
「そうか、ならばこう返しておけ、防壁工事事業へ予算を回せとな」
「ハハッ!」
ライグランハークの眉間には深い深い皺が刻まれ、その悩みの深さが窺い知れる
「リアス様、、、どうやら人類には、いや、、、余にはここが限界なのかも知れませぬ」
そう、1人呟く
「誰か、酒を!」
その日も、皇帝ライグランハークは酒を飲み深く思考する。
リアス様との約束期限はもう残りわずか、、、
恩寵トルカブトを受け継ぎし、
余が見つけ、示し、広げなければならない
何か道はないか?
何か画期的な解決策はないか?
だが、、、
そんな都合の良いものなど、
本当はないのかもしれない
そして、、、今もし人類から恩寵が失われたら、、、
そんな折ーー
ハーク帝国皇帝ライグランハークの元へ
1人のリアス教司祭が訪ねてくる
「お久しぶりでございます。ライグランハーク陛下」
「ユビキリのラング殿か」
「何用だ?」
「その、、、2人で話をしたい事が、、、」
「ほう?」
ライグランハークはしばし逡巡し、、、
「良かろう、皆下がれ」
そう言ったーー
「それで?」
「神話を書き換える必要があります」
「ほう?リアス教の司祭たるラング殿がそれを言うか?」
「私だからこそです。覚悟の現れととっていただければ」
「ふむ、、、」
ライグランハークは目を閉じる
拡張しきった人類領域
恩寵が生活の基盤となった人類
そして、、、
リアスとの約束の期限
「もはや」
「余が今決断するしかないか」




