82話 琴音の実験
旅を続け、数日が経過し、
イダテンまで、270km
順調に行っても、後2〜3週間はかかるな
待て、イダテン、騒ぐな
ーーちゃんと向かってるから
なお、基本的にイダテンまでは街には泊まらないみたいだ、
ドンガッチンが余りにも目立つのが理由だ。
なんでも、ドンガッチンは帝国最上位の恩寵バイタールの恩寵士で、位は大将軍なんだそう
戦争の時もやばいとは聞いていたが、、、やばい上に偉いときた。
なので、目立たないよう、帝国領土と、国家連合、教会、キョーセイ王国領土の境目を通り
街へはイーシキハイかラングレンが補給に向かい、
泊まる時は天幕を立てる形だ。
あの日以来、琴音とは致してはいない。
当然だな。うん。
だが、取り消す事はできないし、
琴音の事を思えば、過ちだったとはとてもではないが思えない。
いや、そう考える事すら、逃げか。
俺は一体どうすれば良いのだろうか、、、
仮に地球に帰れる事になったとして、その時俺は、、、
里美は?翔太は?そして、琴音は?
はぁ、、、これはうん、俺が一生背負う話だな
今はまだ未来の事はわからないが、覚悟だけはしとかないとな。
そんな琴音だが、最近は謎の行動が増えた。
まず、別の天幕、それもそこそこ広い天幕を用意して欲しい俺を通じてイーシキハイに頼んでいた
なんだろ?今更わがままって事はないだろうし
そして、
この前は、なんか、天幕から慌てて飛びしては中に入るを繰り返していた、、、
ホント、何してんだろ?
「次郎」
「こ、琴音」
「な、なに?」
「うん、あのね、イーシキハイさんに伝えて欲しいんだけど」
え?なに?俺がそれを聞いてもいいのか???
いや、待て
何を考えてるんだ俺は、、、
「えーと、なに?」
「蓋付きの金属の丸い容器と太い皮ベルトと柔らかい皮を手に入れて欲しいんだけど、、、」
え?何それ?
なんでそんなもん琴音が???
イーシキハイに琴音の要求するモノを伝えると、、、
「勿論、最上級の品を用意しよう」
「ああ、私の手から渡したいのでジローは気にしなくていいよ」
だそうだ。
琴音は何する気だろ?わからんが、、、声はかけておこう
天幕でぶつぶつ独り言いっている琴音、顔は真剣だ。
俺にも全く気づかない
「琴音」
「ひ、ひゃいっ!」
「て、次郎かぁ〜びっくりさせないでよ、、、」
「あ、ああ、ごめん」
天幕の中は至ってシンプルだ
ベッドと机と琴音の荷物だけ
机の上にはいつか買ったメモ用紙がわりの紙が数枚、、、うわっなんかびっしり書いてるな、、、
それと、ランタン用の蝋燭や、これは水差し?か、
他はペンやインクぐらい
「いや、最近なんか忙しそうだから何してるのかな?って」
「そ、それは、、、」
「今はまだ実験段階だから」
「実験?なんの?」
「な、ないしょ」
「え?危ない事?」
「、、、たぶん」
えぇ、、、それはちょっと、、、
「琴音それは、、、」
俺がたしなめようとすると
「私が次郎を守るから」
「え?は?」
俺がじゃなくて?
「もう、絶対、次郎をあんな目にあわせたりしない」
「だから、、、お願い」
あーシックにボコられたし、その後も、、、
その、心配かけちゃったし、それに、、、
でもなー俺だって心配になるしな。
「次郎」
琴音の目は真剣だ
「信じて」
ふぅ。
「わかった。怪我だけはするなよ?」
「あと、困った事があればいつでも相談してくれ」
「ふふ、それは任せて」
「こーゆーの得意なんだから」
そう言って琴音は
ふふん!と胸を張った




