77話 誓い
俺は消えたくないーー
誰か、誰かーー
お願いだ、助けてくれ!
もう、眠れなくなって4日になるだろうか?
眠ったら、俺は消えてしまうんじゃないか?
もう、ダメだ、考えるのも疲れた
「次郎?」
琴音はどうやら俺と同じ天幕みたいだ
「あ、あぁ」
ーー民を守れ
うるさい!黙れ!
相変わらず声は消えない
いずれ俺はイダテンに飲み込まれて消えてしまうのだろうか?
怖い、ただただ怖い
「琴音は、その、、、大丈夫か?」
「うん、たくさん眠ったみたいで元気だよ」
「ねえ、次郎?」
「なんだ?」
「何が聞こえるの?何にそんなに怯えているの?」
「声、、、かな、恩寵の」
「俺は俺じゃなくなるかもしれない」
「そっか」
「あのね、、、今だけ」
「今だけ?」
「うん。今だけ」
「何も考えないで。」
シュルシュル
?
なんの音だ?
目を向けると、そこには裸になった琴音がいた
「次郎」
「な!?ちょっ琴音?」
慌てて目をそむけようとするが、
「次郎見て」
そっと琴音の両手が俺の顔に触れーー
そして、そのままキスされる
「大丈夫だよ次郎」
「こ、琴音?」
そういって琴音は俺を優しく抱きしめる
「心臓の音、聞こえる?」
ドクっドクっと少し早い鼓動が聞こえる
「あ、あぁ」
「声聞こえる?」
「こ、琴音?」
「声は聞こえる?」
「い、いや、聞こえない」
そう言うと、またキスをされる
「次郎」
今度は琴音が目を瞑る
俺は琴音から目が離せない
今は琴音の事以外、何も考えられない
琴音の温もりと、自分の心臓の音しかしない
そして、俺はその夜琴音を抱いたーー




