5話 理不尽
なんなんだよ。一体
突然命の危機を感じたかと思ったら
異世界転移だの
訳のわからん存在に説教され
挙句にあの化け物ゴリラを殺せだと?
沸々と怒りが湧いてくる、理不尽なこの状況に
だが、同時に俺の冷静な部分が告げるリアスの言っていることはおそらく正しいと
直感というやつだろうか?
生き残らねばならない
これは真実だ
そしてこの世界でも死は理不尽なんだろう
正直怖い、覚悟なんてものは決まらない
よく考えてくれよ?
俺はただの一般人のおっさんだぞ?
マトモな戦闘訓練なんてうけたことねえし
格闘技だってやったことすらない
よしんば格闘技経験者だとしても、外の人外の化け物相手に?
どんな冗談だよ
確かに身体には力が漲ってる
でもさ、、、
でも、あのゴリラを殺さなきゃ俺が死ぬのも間違いないのだろう、、、
この穴の中に居ても、食料なんてものはなさそうだし、いずれ死ぬ
嗚呼、クソッ
怖い怖い怖い
やっぱり無理だ。うん無理。
この穴から出られる気がしない
『、、、』
『理不尽とは唐突に襲ってくるから理不尽なのだ、待つという選択肢は無い、なにもしなければ死ぬだけだ、今すぐ選べ、奴を殺して生き残るか貴様が死ぬか』
ちっ
好き勝手いいやがって
嗚呼、本当に唐突だ。
ついさっきまでCs電器にいたはずなんだけどな、、、
里美、翔太、、、
ふぅ、、、
そして、俺は心の中で唱えてみる
あのゴリラを、、、
殺してやる殺してやる殺してやる
ふぅ、、、
俺は息を一つ吐いた
「どうすればいい?」
考えるのは後だ
まずはあのゴリラを殺す
『フッ』
『少しはマシな顔になった』
『安心しろ白い人型は魔物の中では最底辺だ。だが、だからと言って正面からは貴様には無理だ。何か策を考えなければならん。』
策か。
そういえば何故あのゴリラ、、、いや、白い人型は俺を襲ってこなかったんだ?
『認識を阻害する結界だ。既に切れかかっているがな。近づかなかったのは正解だったな』
おう、、、結界のおかげだったのね。
目が合ったんじゃなくて、違和感を感じて警戒していってところか。
白い人型の情報がもっと欲しい
できるだけ詳しく
『そうだな。奴は本来なら知能は低いが群れで動く魔物だ。かなり特殊な魔物でな。だが貴様が見たのは1体、これは我らにとっては都合が良い。おそらく群れのはぐれなのだろう。つまりは群れの中でも弱い個体だ。』
『貴様武器は持っているか?』
武器?スマホに、車の鍵、財布、、、
「無いな」
『そうか、ならば仕方ない。奴の肉体の強度なら石で殴れば傷つけられるだろう』
ふむ、、、罠を張るのはどうだ?
『ほう?話してみろ』
記憶と心読めるんじゃないのかよ
『記憶は表面的なものだけだ。それでも膨大な量の知識が今も流れ込んでいる。心は貴様が言語化しないと無理だ』
そういうもんなのね
まぁいい、それはおいおいだ
「話の腰をおってすまない、罠はこんなのはどうだ?」




