57話 戦争のルール
翌日となった
なにはともあれ、俺が今やるべき事に集中しよう
教会の入り口で皆を待つ
「お、おはよう、次郎」
「お、おはよう、琴音」
うん、これは照れるわ
「揃ったようだな」
「では、行こうか」
はぁーこういう時のラングレンはマジ助かるな
空気も魔物もスパッてか
「あ、そうだ、ラングレンさん」
「なんだ?」
「監督官ってなんですか?」
「戦争の責任者だ」
「えーと、、、指揮官みたいな?」
「いや、基本的に監督官は戦いでは何もしない」
「え?でも責任者なんですよね」
「そうだ。ああ、ジローはイセカイジン?で本当に何も知らないんだったな」
「いいだろう、歩きながら説明しよう」
そのまま俺たち一向は街を後にし、ユビキリの東の街を目指す
道中のラングレンの説明によると
監督官というのは恩寵士の中でも実力者が選ばれるらしい
やっぱりラングレンは指折りの実力者なんだな
実際の戦闘には参加せず、結果を見守るのが仕事だそうだ
そして、
オーソドックスな形式としてはこうだ
まず、前提として攻撃側と防衛側があり
3vs3で1人ずつ戦い
攻撃側は3勝したら勝ち
防衛側は1勝でもすれば勝ちらしい
めちゃくちゃ防衛が有利なのにはいくつか理由があるらしく、なんでも
そもそも攻撃を受けた側にしろ、攻撃側にしろ、恩寵士である以上自分の領土を守っている
だから、恩寵を奪われる事、つまり恩寵士が死亡する事自体が稀らしく、そうなる前にどちらかが降参するし、相手の恩寵士も普通は降参を促すそうだ
もうやめとけと
それに、戦闘開始と同時に降参もそう珍しい事ではないらしい
ワイの土下座スキル舐めんなやでぇククク
『戦え』
あ、ハイ
他にも、例えば今回防衛するのはオオソデ王国なんだけど、3vs3で2勝1敗で攻撃側が勝ったとする
でも、防衛側であるオオソデは勝っていた場合、自分は勝ったのに自分の領土が奪われるなんて、たまったもんじゃない
だからいつのまにか今みたいにルール化し、制度化されたそうだ
まぁ、攻撃側は毎回帝国らしいんだけど、歴史上では実際に領土を奪われた事もあるらしい
だが、その場合は教会や、帝国以外の勢力が全力で支援して次の戦争で奪い返すらしい
もはや、おしくらまんじゅうじゃねえか
戦闘前は、
恩寵士としての各々の系譜を語り、
お互いの自己紹介が終わったら「我が恩寵の名に恥じぬ戦いを誓う!」とか言って戦闘を始める儀式があるとかなんとか
え?それ俺もやるの?語る系譜とかないぞ?ひぃ
爺さんの名前も知らんし、嫌なんだけど、、、
そして、決着がつき、
その戦闘結果に異論がある場合お互いの監督官で話し合いが行われるそうだ
毎回ではないが、あれは降参してないとか、揉めることがあるらしい
いや、ホントなんじゃそらって感じだよ、、、
スポーツじゃん
なお、監督官が強い理由は、いざって時に恩寵士を制圧できるかららしい
あーね。なるほど
なんか、思ったよりも安全なのかもしれないなアンスでの戦争って
「私は納得はしてませんけどね〜でも、理解はしてあげます」
ふふんっと胸を張りながら琴音が声をかけてくる
「ま、まあ、思ったよりは安全そうだしさ、許してくれよな」
「むむ〜」
そんなこんなで、
次のユビキリから東の街も過ぎ、
次はいよいよオオソデ王国で最も西の街兼ユビキリで最も東の街に向かう途中
そこそこ大きい湖で事件が起こったーー




