52話 ラングレンという男
ラングレンに促されるまま、俺と琴音は教会にある一室に入る
途中、まだ残っていた教会の関係者に向けて
「魔物はもういない、人々にそう告げ、負傷者の救護と、復旧作業を頼む」
と、指示を出していた
「そっちにかけてくれ」
通された一室は来客用の部屋なのだろう
大きめのソファが机を挟んで向かい合って置いてあった
促されるまま俺と琴音は隣り合わせで座り、ラングレンは俺の向かい側に座る
「さて、、、」
コトリっ
机の上に先ほどの魔玉を置きながら
「どういう事だ?話せ」
うーーーーむ、、、どうしよう、、、
適当にはぐらかそうかな、、、
でもなー魔物が死んだ理由が思いつかねえわ
なんか、転んで死にました!とか言ったら
俺があの魔物みたいに顔面ベコンッされそうだわ
『かまわん言え』
え?リアスさん隠さなくていいの?
『どのみちいずれわかる事だ』
そらまあ?まだ一つも恩寵を回収できてはいないけどいずれは全て回収するしな、、、
でも、協力してくれそうにはないぜ?
『この男には正義がある』
はぁ?セイギですか?
『そして信念だ』
えっと、、、それと本当の事を言うのとどういう関係が?
『信用できる人間という事だ』
うーむ、少し前に秘密にしようと決めたとこなんだけどな、、、
『少なくともいきなり切り捨てられる事はなかろう』
あーまあ、それは確かに
さっき怒ったのだって、一般人の俺があんな修羅場で魔物を倒しましたーなんて言ったせいだしなぁ
後で琴音にもフォローしとかないとな、、、
「どうした?いつまで黙っているつもりだ?」
あ、やべっ
もういいやなるようになれ!
ラングレンがキレたら土下座でもなんでもしてとにかく謝ろ
「そ、それでは」
「えーっとですね、その、、、信じてもらえないとは思うのですが、、、」
「?」
「僕はリアスを宿しています」
ピリピリと空気が凍る
「お前それがどういう意味か分かって言っているのか?」
あー土下座かなこれは
『全て言え』
えぇ、、、もうマジで怖いんですけどぉ
ふえぇ
「ぼ、僕は、リアスを宿した恩寵士です」
「そうか」
ラングレンはスッと立って剣?の柄に手を添える
し、死ぬ
絶対に死ぬ
「やめて下さい!」
琴音もすぐに立って言う
いかん!俺は荷物の中の買い物袋に入れていた森で狩った魔物の100個以上はある魔玉を取り出して見せ
「僕は、ユ、ユビキリから最も西の街から川を遡った森の中でリアスを宿しました!」
そう、慌てて言った
「な、こ、これは」
「これは全てラングレンさんに差し上げます!ですからどうか命だけは!」
「、、、最初から話せ」
それから俺は、異世界から来た事、リアスや琴音と出会ってからの事などラングレンと出会うまでの経緯を全て説明したーー
「という訳で、この街に現れた魔物を討伐したのは僕です」
「し、信じられんな、、、」
「ジローとコトネはそもそもこの世界の人間ではないだと?」
「それに、、、リアス様が、、、まさか、、、」
デスヨネー
リアスがラングレンの頭の中に語りかけるのもリアスの命を削るからそうそうできないし、、、
「だが、、、お前を見るといつもユビキリが震えるのだ」
ん?
「えーと、、、それは?」
「そうだな、違和感と言えば良いのか、、、とにかく、ユビキリからの声が強くなったり弱くなったり、、、」
こ、声?恩寵って喋るの?
『そんな話は聞いた事が、、、』
え?リアスも知らないの?開発者?なんでしょ
『知らん』
ここにきて謎仕様かよ
「こ、声とは?」
「様々だ、ユビキリをこれまで継いできた先達方達の」
もうそれ、呪いとかじゃ、、、
『そんなものは無い、だが、、、声か』
「、、、提案なのだが」
「は、はい」
「恩寵士と言うのであればまず、この魔玉を吸収してくれないか?」
『いいだろう』
リアスが応えるのかよ、、、
まぁ、いつもやってるしな
そう思いつつ魔玉に触れて、吸収する
「な、、、本当に!、、、いや、しかし、、、それだけでは、、、」
ラングレンのいつもの柔和な表情が完全に崩れて百面相してるなー
まぁ色々考えてるんだろうけど
「その、、、ジロー」
「は、はい」
「もし、もしだ、、、お前の言っている事が真実なら、、、真実なら、、、疑う事すら不敬千万なのは重々承知の上で頼みたいのだ」
「は、はい?」
「神を試すなどという最も愚かな行為になるやもしれん、、、しかし、数々の魔玉、そして吸収、、、先ずはジローが恩寵士である事は認めよう」
「そ、それは、ありがとう?ございます」
「しかしながらだ」
「リアス様を宿しているというのは、嘘ならば切って捨てれば済むのだが、真実ならばその、、、」
サラッと切り捨てごめんはマジ勘弁
「戦争にやはり参加して欲しい」
何故?




