44話 武器屋の常識
「という訳で戦争に行きます」
「わ、私も」
「琴音はダメ」
「むむぅ」
「いや、いくら安全そうだと言っても流石にね?」
「ふふっ心配してくれてるんだー」
「あ、当たり前じゃないか」
「ふーん、当たり前なんだー」
『おい』
あ、はい
「ふざけるのはここまで」
「はーい」
「こら」
「はい」
ニコっと笑いながら琴音は返事をする
一旦宿に帰り戦争の事を琴音に話した
まあ、普通に会話ができて何よりだが、更に会話の距離感が近くなった気も、、、
いや、考えるな
「戦争の場所がここから10日はかかって、一カ月後にはつかないとならないので、余裕を見て2週間後には出発しようと思う」
「もちろん琴音も近くの街まで一緒だ」
「はーい」
「じゃあ、私はその間言葉の練習かなー、あ、武器屋にも行ってみようかと思ってるの」
「武器屋?なんで?」
「ここだと鍛冶屋兼武器屋みたいなんだけどね、その私の護身用の武器が何かあったらなーって」
あーなるほど。護身用か
「剣とか使えるの?」
「まっさかー」
ですよね
俺だって無理だ
「でもほら、クロスボウとかあるかもしれないし」
あークロスボウか、確かに機械式なら女の子でも
琴音戦争行ってる間1人になる訳だし
あ、やばっめっちゃ心配になってきた
言葉も通じないし、、、
「うん、明日にでも一緒に武器屋に行こうか」
「やったー!」
武器屋か、ちょっとワクワクするな
仕方ないよね、男の子だもんね
というわけで、宿屋で最寄りの武器屋の場所を聞き向かう
「ふふふ」
琴音はニコニコと嬉しそうにしながら
俺の隣を歩く
えと、、、近くないですかね?
近い、、、よな、、、?
うーん、、、
なんか良い匂いするし
武器屋の見た目は、大きめの煙突以外はほとんど変わらないな
お店部分も狭そうだし
ほぼ、鍛冶屋って感じかな
「お邪魔します」
「いらっしゃい」
「何か御用で?」
あれ?クロスボウで伝わるかな?
「えーと、クロスボウって売ってますか?」
「ああ、あるよ」
あるんだ!
「ほらそれ」
そう言われて、見ると
短弓?っていうのか?
50cm程の機械式っぽい弓が置いてあった
「琴音これだって」
そう言って琴音にも見てもらう
「狩用かい?狙ってる獲物は?」
あーそっか目的によるか
「えーと、魔物なんですけど」
「ははは」
あ、また滑ったみたいになった
ここユビキリの住人はこうなのか?
「ま、魔物に効く武器はありますか?」
「おいおい、冷やかしなら帰ってくれよ」
「え?」
「あのなー魔物に効く武器なんかどこにもないよ、バリスタなら通用するかもしれんが、こんな街の武器屋にある訳ないだろ」
「それに」
「魔物が出たらすぐに逃げるのが常識じゃないか、全力で逃げて、運良く生き残れたら遭遇場所を恩寵士様に伝えて討伐してもらう。子供に真っ先に教える事じゃないか」
「あんたその歳で、そんな馬鹿な事ばかり言ってないでさ、隣のお嬢ちゃん?に変な事教えちゃダメだよ。ちゃんと育ててあげないと」
「す、すいません」
なんかめっちゃ怒られた
あと琴音は娘じゃねえけども
「琴音」
琴音も空気を察して俺と店員のやり取りをじっと、聞いていた
「は、はい」
「一旦帰ろうか」
「、、、はい」
「ご迷惑をおかけしたみたいで、すいません」
「欲しい物があればまた来ます」
「あ、ああ、、、」
トボトボと店を後にする
「あ、あの、なんと?」
「あ、ああ。娘さんをちゃんと育ててやれって」
「む、娘、、、」
そうだよな
結局のところ俺は魔物を舐めてたんだ
リアスのおかげで最初の白い人型以来危険を感じたことがない
でも、このアンスの人にとって魔物っていうのはずーっと上位の捕食者って事を
琴音だってそうだ
なんだか、自分だけ化け物じみた力持って人間じゃなくなったみたいな気持ちだ
『我の力だ』
あーそうだったな
「琴音、武器屋の人曰く魔物向けの武器はバリスタとか大型のものしかないみたいなんだ」
「あぁ、そういう話をしてたのね」
「うん。だから魔物と出会ったらとにかく逃げろって」
「それが、、、常識だって」
「そっか」




