32話 アンス人類圏へ
朝になり、俺達はラングレンの領土に向けて出発した。
魔物とは昨日から一度も遭遇していない
「この辺りには魔物はほとんどでないんですね?」
「無論だ、我ら恩寵士が定期的に見回り討伐しているしな」
「なるほど」
「恩寵の力でもって領土に安寧をもたらすのもまた、恩寵士の使命なのだ」
「ラングレンさんは何故あんなところに?」
「、、、我が領土以外にも魔物に苦しめられる民は居る。私はその民も守りたいのだ」
ラングレンさんめっちゃ働き者
「それで遠出をして魔物討伐を」
「うむ」
「お前達はどの方角からきたのだ?」
「え?方角ですか?」
「ああ、すまん。方角とは何かわかるか?」
失礼な。
ははーんさては昨日からのちょいちょいの上から目線はあれか俺たちを未開の文明人だと思ってるって事ね
こちとら、現代英才教育を受け、日本の経済活動に20年以上貢献してきた企業戦士兼恩寵戦士ですぞ?
その俺が方角ごときわからん筈が、、、
筈が、、、
「もちろんです、、、えーーーとですね、、、か、川沿い?」
「方角とはそういう事ではない、わからないならわからないで良いのだぞ」
うん方角の意味は知ってても、測り方?がわからなかったら意味ないね
このアンスにも太陽はあるけど、太陽がどの方角からあがってるかなんて知らんし
「申し訳ありません」
「良い。しかし、川沿いか、、、?」
「何か?」
「あの川は上流に行くほど魔物が多く、禁足地とされているのだ。一般人のお前達では到底生き残れるとは、、、」
『途中で川を見つけた事にしろ』
え?リアスさん?
『言う通りにしろ』
まあ、いいけど
「いやー途中で川を見つけましてそのまま辿っていたのですよ」
まぁ、200km先だけども嘘では無いな
俺はそこで川を見つけて辿ってきたんだし
「なるほどな、運が良かったな。もし上流に向かえば、先は魔の住まう森、そこは魔物の巣窟でお前達は死んでいたであろう」
ふむふむ、やっぱりあの森は異常に魔物多かったんだな
「そ、それは助かりました」
「うむ、運が良かったな」
「見えてきたぞ我が領土、ユビキリだ」
いやまあ、少し前から気づいていたけど
確かにそこには踏み固められた道、
整備された畑や、
異様に長い石造りの城壁が見える
そして、風に混ざってほんの少しかまどの煙の匂いがしていた




