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迷子のおじさん  作者: イオン
2章 森の中の出会い
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30話 恩寵士と恩寵


歩く事数時間ーー


ラングレンが振り返って言った

「今夜はここで野営だ」


えぇ〜

ご飯は?お風呂は?服は、、、どっちでもいいや



「ラングレンさん、領土っていうのは遠いんですか?」


「いや、明日の朝から歩けば夕方頃には着くだろう」


いや遠いって


「ラングレンさんは領主様?なのですか?」


「領主?フッ違う恩寵士だ」


ちょいちょい小馬鹿にしてくるな、この糸目は

まあいい、聞けるだけ聞いとくか


「申し訳ありません、学がないもので、恩寵士様とはなんでしょうか?」


「フッそうだな、恩寵の無い土地からの旅人だったな、、、」


「恩寵士とは神より恩寵を授かりし偉ばれし者の事だ!」


ものすごいドヤァされてもな、、、


「そ、そうなのですね、それはすごい」



「その通り、恩寵士とは神のみわざの代行者にしてーー」


いや、ノリノリだなおい



「ーー魔物を全て駆逐するものだ」



文字通り空気が変わった

ラングレンの表情や仕草は変わらない、

だが、言葉の温度が違う


うん、これはマジのやつだ


ちらっと琴音が視界に入る

明らかに怯えている、言葉はわからない筈なのに


『恩寵一つでこれは凄まじいな』


リアスは相変わらず何言ってるかあんまりわからん



つーか、恩寵は回収はしないのか?



『、、、少し様子を見たい』



まあ、話を聞いてからでもいいか


『ああ』



「それは本当にすごいですね、それも恩寵の加護?祝福?が関係するのでしょうか?」



「恩寵の加護と祝福は等しく民らを照らしておいでだ、帝国はあいもかわらず、人同士で争うなど、、、実に嘆かわしい」



帝国、、、

国がいくつかあるのね



「ラングレン様はリアス教の司祭様なのですよね?」



「いかにも」


「その、リアス様とは、、、?」


「うむ、良くぞ聞いてくれた、この世界で最も慈悲深く自己犠牲の強いお方だ」


へーソーナンスネー



「リアス教は皆様が信仰されておられるのでしょうか?」


「いや、これも、嘆かわしい事に、そうではないのだ、恩寵だけを信仰するものも居る」


「与えてくださった神をないがしろにしてはならんというのに」


リアスさんちゃんと崇拝されてますやん


『ふん。』




「恩寵ってリアス様が与えてくれたのですか?」


「いかにも、約3000年前にその身一つ一つを分けて我らにお与えになられたのだ。我が恩寵、ユビキリもまたその一つ」


ユビキリ、、、これはカッケェ


「あ、あのそのユビキリ?をちょっと見せていただいても」



「恩寵は易々と見せる物ではない」



「し、失礼しました」



『おい』


なんだよ?


『聞け』


なにを?


『恩寵を返す気はあるのかと』


あーリアスの目的それでしたね

はいはいっと


「その、、、ラングレンさん、恩寵とはリアス様からいただいたものなのですか?」



「、、、どういう意味だ?」



ん?なんか一瞬ですっげぇピリピリと、、、



「あぁ、いや僕の勘違いなら申し訳ないのですが、リアス様から人間にか、、、貸されたモノ?なのかなぁと」



ラングレンはいきなり立ち上がり、叫ぶ



「ふざけたことをぬかすな!!!」


「リアス様の慈悲は無限にして、永遠!!!」


「故に、リアス様の慈悲そのものである恩寵をリアス様が卑しくも欲する訳がなかろう!!!」




突然ラングレンが大声で激昂したので、琴音もビクリと肩を震わせてこっちを見ている



と、とりあえずラングレンを落ち着かせなきゃ!



「ひぃ!す、すいません!ごめんなさい!僕の卑しい価値観で考えてしまいました!!!

どうかお許しを!」



「フゥー、フゥー、、、フゥー」


「いや、お前はリアス様の神話を知らなかったのだったな、、、」


「うむ、今後学べばよい」


「し、精進いたしますぅ!」


「うむ」


び、びびった

こ、恐え

恩寵返すは地雷だったのか

あの糸目開くのね、、、

ガンギマリだったし、、、



「や、やはり、お、恩寵って凄いものなのですか?」


「凄い?違うな、崇拝すべきものだ、恩寵こそ全て、とは信仰から私の口からは決して言えぬが崇拝する者がいるのもうなづけるのもまた事実」



そ、それもう、ほぼ言ってねえか?

グレーゾーン信仰だろ



「そうなのですね。た、大変勉強になりました。」


「明日も早いみたいですのでもう休ませていただきます」


「うむ」


琴音には大丈夫だとジェスチャーで伝えて安心させる

いや、情け無いトコ見られちゃったな、、、


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