2話 森の白いゴリラ
ドサッ
草むらに転がった感触
「は?」
気づくと俺は外に居た
え?え?どゆこと?
混乱しつつも辺りを見回す
、、、森だな
日本では見たこともない密集した雑多な雑木林
木々に阻まれて遠くは見渡せそうにない
その森の中にぽっかりと開いた草原、どうやらそこにいるらしい
「うわー、デカいな」
目の前には高さ10mほどの大岩
下の方に穴?洞窟と呼ぶには小さな空間があいている
「転んで、死んだのか?」
ここはいわゆる死後の世界なんだろうか?
そう思うぐらいには頭の中は混乱していた
しかし、転んだ衝撃や、ついさっきまで空調の効いた屋内にいたせいか気づくのが遅れたが
暑いってほどではないがジメジメとした湿気を感じる
とてもじゃないが街中とは思えない
「なんなんだよ一体」
少し逡巡するが、すぐ近くに川が流れている音がするので近寄ってみる
そして、向こう岸からこちらを睨むように、何かが居た
「は?」
見た目はまるでゴリラのようだが、毛は白っぽく目は血のように赤い
そしてなにより、デカい!
川を挟んで距離は10mほど離れているとはいえ
どう見ても3mはある
今にも飛びかかってきそうな形相でこちらを睨みつけ唸っている
、、、あーこれはあれだな、終わったな
違うか
むしろ俺は既に死んでいて、あれは死後の世界の住人か
あまりに非現実的な状況にそんなことを考える
幸い?なことに、もの凄い敵意は感じるものの、飛びかかってはこないので少し冷静になって考える
まず、近づいたら間違いなく殺される
腕とか見てくださいよ
太めの丸太ぐらいあるし、あんなので殴られたら即死どころか身体が爆散するわ!
、、、いかんな
おふざけモードで考えている場合じゃない
落ち着け、考えるんだ
何かないか?
ゴリラから目を離すのは恐ろしいがゆっくり後退りしつつ、周囲を再度見渡す
「!」
目に入ったのは大岩の穴だ
とりあえずあそこに逃げこもう
中に何かいるかもしれんがゴリラよりはマシだろ
俺は縋るように、それでもゴリラからは目を離さず
ゆっくりと穴の中へ移動したーー




