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迷子のおじさん  作者: イオン
11章 山田次郎の選択
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185/186

179話 ただいま


俺は穴を見た瞬間


残った力を振り絞って身体を動かす


這うように穴に近づき、そして、


飛び込んだーー




信号機の音が聞こえる、車の行き交う音も、コツコツと人がアスファルトの上を歩く音も


なんだ?暑い、ジリジリと焼けそうだ


閉じていた目を開ける



見慣れた、でも酷く懐かしい景色が広がる



「おっちゃん大丈夫?」



そう声をかけられる


見ると、茶髪にオールバックの青年がいる


まるで、、、シックみたいだななんて思う



俺の目からは涙が溢れてくる


「あ、す、すいません、、、」


「ちょ、ちょっと、、、」



「おいおい、おっちゃんマジでどうしたんだよ?」


「救急車呼ぶか?」


そう、青年は声をかけてくる


スマホ、、、



「ぐ、ぐううううぅ〜」



俺はただただ泣いてしまう


帰れた、帰れたんだ!



会いたい、家族に、、、里美、翔太!




「す、すいません」



「お、おう、大丈夫なん?ほんと?」



「こ、ここって、どこですか?」



「はぁ?」


「あーすいません、えーと、何県何市かわかりますか?」



「ここは、◯◯県◯◯市だよ」


近い!家から!


「あ、ありがとうございます!」


「お、おう?」



「それと、今日って西暦何年の何日ですか?」



「西暦2027年の8月18日だよ?なんで?」



「うおおおおお!」


「うお!びっくりしたぁ!」


「あ、す、すいません」


「まぁ、いいけどよ、熱中症には気をつけてな」


「は、はい!ありがとうございました!」



俺はそのまま、家へと歩き出す、大丈夫だ。わかる。


よくよく見たらいつも歩いていたところだ。



周りの人がチラチラと、俺を見る。



うん。格好がアンスのままだから変だもんな。


でもいい。そんな事はどうでもいい。



家路を急ぐ。



そしてーー



「ただいま!里美!翔太!」


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