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迷子のおじさん  作者: イオン
7章 神話改竄編
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リアス過去編3

リアス過去編は時系列が逆です


3300年前


「リアス様どうかどうか、お母さんを忘れないでね」


そうしわがれた老婆が、青黒い肌の男の手を取り言う。


ベッドに横たわり、呼吸は弱く、手足も痩せ細り、余命いくばくもない身体なのは見て取れた



青黒い肌の男こと、リアスは、


「ああ。エミリア」


とだけ答え、静かにその場を後にした。


この老婆が息を引き取ったのはわずか数日後であったーー




「我は届かないのかもしれないな」


リアスは1人そうつぶやく


「我は一体何をしているのだろうか、、、」


その顔には諦めと、虚しさが滲み出ていた



そこへ村の男から声がかかる。



「あーリアス様!ちょうどよかった、ちょっと来ていただけませんか?」




ここは、小さな人間の村ーー


この頃の人間は弱く、

その村にたまに現れるリアスは、魔物を倒し、人間を守る正義の魔物として村人から慕われていた。



「ささっこっちですよ」



そう言って、村の男に案内されたのは、村から少し離れた小山となっている丘だった。


村の男はガサガサとその丘の近くで干し草をどかしている。



そして、干し草をかき分けると、その下には大きな蓋があった。



その蓋をズズッとズラして開けると、地下へと続く階段が見えた。

 


「どうぞどうぞ」



そう言ってその中へとリアスを案内する


そこは、大きな地下室だった。


中には、穀物や干した魚や、獣の肉、それと塩につけた野菜などが保存されていた。



それらを置いてもまだまだ地下室は広く、

井戸まで掘ってあった。



地下室の所々は木で補強され、頑丈そうだ。



「なんだここは?」



「へへへっ」

「これは魔物から隠れる為の穴ですよ!」



「もしも、リアス様が居ない時に魔物が出てもここに皆で逃げればリアス様がくるまで隠れられると思って」


そう得意そうに村の男は言う。



「なるほどな。」



確かに見事だった。これほどの広さの地下室をたった1人の弱い人間が掘ってしまうとは



「1人で造ったのか?」



そうリアスは尋ねる。



「1人で?はははっ、そんなまさか」

「村人全員でコツコツと掘っていたんですよ」



「そうか」


「全員で、、、か」



約200年後ーー


名もなき村の戦士ランドルフは泣いていた


またもや守れなかった


仲間の戦士も村の人々も、、、魔物の脅威に怯え、自身もまた懸命に戦うも、犠牲者は増える一方だった


そんな折ーー


「ランドルフお前には我が左手小指の恩寵ユビキリを授ける、我に触れよ」


「はい!」


辺りに光が広がるーー


「恩寵は失われず、子々孫々恩寵と共にあれかし」



戦士ランドルフはユビキリの力でもって魔物を討伐する


「これが、恩寵、ユビキリ、、、」

「この力さえあれば、皆を守れる」


ランドルフはリアスに尋ねる


「リアス様、、、」


「なんだ?」


「その、、、もし、万が一リアス様が恩寵を回収なさる前にみまかられた際に、恩寵は?」



「残る」



「そ、そうなのですね、、、」



「なんだ?」



「い、いえ、変な事を聞いてしまい申し訳ありません」



「ああ」




ランドルフの目には暗い影が宿る



「恩寵は、、、リアス様が居なくても、、、」




「残る」


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