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だって私たち親友でしょ。

本日二本目です。


凛視点です。

 でももし、私の目の前に置いてきた人たちが現れたら?

 それが偽物だったとしても、私はきっと冷静ではいられない。


 泣いて、抱きついて、すがり付いて、しかし二度と会えないとなれば心が折れてしまう。


 ほら、親友のあの子とか。

 家族とか。


 ははっ。

 ……色々と思い出してみたけど、全然だめだ。

 あの子の顔は思い出せても、どんな声だったか思い出せない。

 家族は顔をぼんやりとしか思い出せない。

 私だって結構酷いやつじゃん。



 だからって、こんな風に遊ばれていい訳がない。


「私、怒った!!」


 私の宣言に「はい?」と首をかしげる愛奈を押し退けて前にでる。

 ファンタジーの住人である、悪魔なら聖女(わたし)が凪払って見せよう。


 私の薄情さが露呈する前に。


「私が相手よ!!」


 えーっと、魔法はイメージが大事なのよね。

 連想ゲームみたいなもんでしょ?

 悪魔を殺るのは、天使よね。

 天使……名前なんて言ったっけ。うり坊とかミカエリス?なんか違う。えーと、ガブリチュウみたいな名前のやつ……


 発想を変えよう。

 イメージだから、アニメ!!

 小さな天使……はっ!!あれか!


「えーい!!」


 私が天に向かって手を上げると、自称悪魔の上に光の柱が現れる。


「な、なんだ?」


 あわてふためく悪魔のところに天から小さなデフォルメされた天使が五人と少年が一人とゴールデンレトリバーが一匹。


「ネロとパトラッシュ?」


 そう!

 アニメで天使がでてくると言えばこれっしょっ!


「離せ!なんだこいつら!!」


 悪魔に纏わりついた天使たちが、光の柱を登っていく。

 あっという間に悪魔はみえなくなり、光の柱もふっと消える。


「よし!完璧!!」

「全然だよ。」


 ん?と振り返れば、呆れ顔の愛奈がいた。


 今までの無表情の愛奈から戻っていたことだけでちょっと嬉しく思う。


「どこが?」

「まず、パトラッシュはゴールデンレトリバーじゃない。」

「そうなの?」

「なんでフランダースにしたの?」

「天使の名前がでてこなかったから。」

「名前関係なくない?」

「え?あっ、そうか。イメージだから、名前関係ない!」

「……一人もでてこなかったの?」

「うん。」


 私がっぽい名前と上げるとため息と共に正解を教えてくれた。


「それはきっと、ウリエルとミカエル、ガブリエルだよ。」

「あーそれそれ。」

「絶対わかってないだろ。」


 えへへ、と笑う。


 それにつられたように愛奈も小さく笑う。


 うん。笑っていた方が可愛いよ。


 これからもずっと、この子が笑っていてくれたら私はうれしい。

 面と向かってそんなことを言ったら絶対いやがるだろうけど、心のなかでおもっている分には許して欲しい。


 だって私たち、親友でしょ。

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