小鳥の囀り
もし、これが凛だったのなら、蹴っ飛ばしても、魔法を撃ち込んでも何とも思わないが、さすがに知り合ったばかりの人には、そんなことは出来ない。
しかし、運がいいことに、彼女は私とそれほど体格は変わらないし、ご令嬢だ。
運動能力はわからないが、修羅場は私のが潜っているはず。
ならば行けるだろうと、足をバタつかせバランスを崩させる。
そのまま体を捻り、ミラベルと私の位置を入れ換える。
ごん、とミラベルが頭をぶつけたような音がしたが、大丈夫だろう。
きっと出来たとしてもたんこぶぐらいだろ。
「形勢逆転っ。」
「ぐっ。」
「……すごいですねー。そんなことする女の子、はじめてみました。」
占い師は、驚いた様子で、でも楽しそうに拍手を送ってくる。
チラリと見れば、アレンが首に剣を這わしていたけれど。
「……彼女を戻して。」
「流石に君の頼みでも無理です。事前準備なしで発動しましたから。まぁ、準備してあっても無理ですが。」
「意味のわかるように話せ。」
早く話を進めてくれ。
私がしたのと同じように入れ換えられそうなのだ。
「催眠術みたいなものですよ、とだけ。余程の衝撃がなければ、夢からは覚めませんよ。」
解答を得られたのかどうなのかわからないが、ふざけた態度で返事をしてくる占い師。
「!!」
占い師が指をパチンと鳴らす。
すると占い師は、いつの間にかノアのいた所にいた。
ノアはアレンに剣の先をつきつけられていた。
「え?瞬間移動?」
というより、位置が入れ替わった?
「うわっ。」
流石にノアが慌てている。
それを見て占い師は、楽しそうに目を細める。
「ぐっ。」
「ちょっ、暴れんなって。」
ミラベルが暴れだし、服を引っ張られる。
くっそ。どうしろってのさ。
衝撃があればなんとかなるんだよね。
それは、物理的な?心理的な?
物理的を試すより、先に心理的を試そうと私は揉み合う力を弱める。
すぐにミラベルが服を引っ張ったので、そのままミラベルの耳元で囁いた。




