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はじめまして さようなら

「あの人……」


 えーっと、どこで見たんだっけ?

 つい最近あった人のような……


「知り合いがいた?」

「いえ、あ、はい?ちょっと思い出すのでまってください。」


 その人は、何かに気づいたようにこちらに向かって歩いてくる。


「向こうもこっちにきますよ。」

「やっぱり知り合いなんじゃない?」

「ちょっと黙っててください。」


 必死に思い出そうとしているのに、邪魔をしないでいただきたい。

 優雅に歩いてくるのをじっと見るが、やはり思い出せない。

 知り合いかもって思ったのは、気のせいだったのかもしれない。


「やぁ。また会いましたね。」


 曖昧に微笑みながら、会釈をする。


 ニコニコしているイケメンが、私の知り合いじゃないかもと結論に至り、三人を見る。

 三人が三人とも小さく首を振る。


 そりゃそうだ。

 知り合いっぽいことを言い出したのは私だし、知らない雰囲気を出していたじゃないか。


「……申し訳ございません。誰かと勘違いをされていませんか?」


「あー名前、なんだっけ?」「忘れたの?〇〇だよ。」「違う。〇〇は覚えてるよ。下の名前。」みたいなやり取りが存在しているのはしっているが、それをやろうという勇気はない。


「あれ?忘れちゃった?」


 イケメンは、おかしいなぁ、と首を捻る。

 その仕草をしたときに、ふわりと甘い香りがする。


 その瞬間、ぞわりと鳥肌がたった。

 そして無意識のうちに二、三歩後ろに下がる。


 占いの人だ。

 あれ?でもなんで?


「黄色の髪とブルーのワンピースも似合っていましたが、その格好もいいですね。」


 その一言でバレてると悟って、一気に冷や汗がでる。


 なにこの人、もしかしてストーカー的な?

 いやいや。私は、可愛くないし、ストーキングしても楽しいことはなにもないから違うな。


 アレンとノアも状況が飲み込めたらしく、さり気なく私と占い師の間にはいる。


「失礼ですが、どういったご関係で?」


 明らかに態度が変な私を心配したのかミラベルが私の手を握ってくる。


 ちょっと、まって。手汗がヤバイんだけど。


 チラリとミラベルを見れば、変な心配をする私の思いをよそに力強く頷かれる。


 うん。よくわからん。


「店主と客、かなぁ。」


 占い師の返答にブンブンと首を振る。


「彼女はああ言ってますが。」

「女の子の顔を覚えるのは得意なんです。間違えませんよ。」


 ノアが二人になったような錯覚を覚えながら、私は知らぬ存ぜぬを押し通すのだった。

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