お知り合い
照れまくって、フリーズしたミラベルに声を掛けたり、突っついたりするが反応がない。
とりあえず、椅子に座らせる。
「なんと言えばいいのか……」
「そうだよねー。急に僕が声を掛けちゃったからー。」
困る私を他所にノアが話し掛けてくれた。
さりげなく隣に座りだした。
よし。このままノアに任せよう。
丸投げを決め込んで、二人の様子を見ていると視線を感じて振り返る。
アレンだった。
「なんです?」
「お友達、ですか?」
「いえ。今さっき知り合いました。お二人はどうしてここに?」
「置き手紙一枚で勝手に出かけていった、部下が三人ほどいましてね。」
「へーそうなんですか、たいへんですねー。」
やべえ。若干怒ってる?
「まぁ、様子を見にきただけなので。」
「そうですか。」
良かった良かった。
「そういえば、よくここがわかりましたね。」
「街でちょっと聞き込んだら、すぐわかりましたよ。フードの子って言ったら、すぐ教えてくれました。」
さいで。
「で、なにかわかりました?」
「んー。どうでしょう?」
「あ、あの!」
「はい?」
どうやらミラベルが復活したらしい。
なんだか驚いた様子で話に割って入ってきた。
「あの。知り合い、ですか?」
「?ああ、上司です。」
「……っ。まって!てことはあなたも?」
あれ?いってなかったっけ?
こくりと頷けば。
「あぁーーー。本気で穴に入りたい!」
「説明不足ですみません。」
「……だいじょうぶ。私が勝手に勘違いをしただけなので。」
また落ちこんでしまった。
「本当にごめんなさい。知り合いでした。」
ペコリと頭を下げる。
嘘は言っていないが、明らかなる説明不足。私の不手際。申し訳ない。
「自己紹介とかしなかったの?」
「しましたよ。名前と歳。」
「必要最低限な自己紹介ですね。」
ほんとに。
でも、対人慣れしてないとそんなもんだと言ってくれ。
お互い謝罪の応酬をしていると、ふと視界に見覚えのある人がいたような気がした。
「?」
急にキョロキョロしだす私を不審がり、ミラベルが不思議そうな顔をする。
「どうかしました?」
「なんか、見たことある人がいたような?」
見渡したところで、広場には私たちを除いて、四、五人しかいない。
あれ?人が減ってる。
しかも、広場にはあまり来ないようなどこぞのご令嬢っぽい人もいる。
急いで見回す私の視界にふわふわ、ヒラヒラな薄紫が揺れる。




