愛
次の日
「もう朝か。」
俺、鷹咲楓はいつもなら感じるはずの憂鬱感を感じず、普通に起きることができた。
これもあいつのおかげなのかな。
分からないが、とりあえず心の中で感謝した。
「涼風も良い朝を迎えられてんのかな?」
きっとそうだと思いつつ朝食を食べ、制服に着替え、学校に行く準備を手早く済ませた。
「そういえば昨日連絡先交換するの忘れてた…。今日こそ交換しないとな。」
そういって学校へ向かうのだった。
ジリリリリッ
「んぅ…もう朝?」
私、涼風天海は昨日のことが頭から離れず、結局寝たのが0時を過ぎてからだったため、眠いはずなのだが…。
「なんか今日は目覚めが良い気がする。良い日になりそう♪」
全然眠くなく、むしろ起きてることが心地よいとすら感じている。
きっと昨日のことが影響してるんだろうな…鷹咲君と早く会いたいな。
私は鷹咲君のことを考えつつ、朝の支度を済ませて学校に行った。もちろんルンルンで♪
ガララッ
先に学校へ着いたのは俺だった。
涼風はまだ来てないか…。今日は珍しく少し早く来たからな。仕方ない、勉強でもしておこう。
そう思ったとき、ふと声をかけられた。
「ねぇねぇ鷹咲君、昨日涼風さんと君とお友達?さんと一緒に最近出来たゲームセンターにいたでしょ。」
「いたけど、とりあえず名前聞いていい?話したことないから分からないんだけど。」
クラスメイトであることは分かるが、俺自身が内向的な性格であるが故に名前が分からないのだ。
「あ、ごめんね。私は神月桃。君と話すのはこれが初めてだね。これからよろしく。」
「ああ、俺が名前覚えてないのも問題だからな、これからよろしくな、神月。」
「わお。最初から苗字で呼び捨てなんて、なかなか男前なんだね。ちょっと見直したよ。」
「さん付けした方が良かったか?」
「いいや全然。むしろ呼び捨ての方が友達感出るから好きだよ。」
「そうか。で、神月も昨日ゲーセンにいたのか?」
「うん、そうだよ。私の彼氏が行きたい行きたいってうるさいからさ、仕方ないから行ってあげるか〜と思ってね。」
「彼氏いるのか。」
「いるよ〜。あ、もしかして私のこと狙ってたの?」
「そんな訳あるかよ。俺も好きな人はいるからな。」
「涼風さんかお友達さんのどっちかだな?うーん。…隣の席だし涼風さんじゃない?」
「…。」
「もしかして当たっちゃった感じ…?いや、バラすつもりとかは無いから安心してね?」
「…。」
「もう!そんなに拗ねないでよ!偶々だから仕方ないでしょ。まったく…子供っぽいんだから。」
「誰が子供だ。」
「子供とは言ってないよ。子供っぽいっていっただけだし。」
そんなこんなで話をしていると、
ガララッ
「おはよう。」
涼風がやってきた。
やってきたのだが、俺たちの方を見たときに何故か羨ましそうな顔をして、早歩きでこちらに近づいてきた。
「2人で何を楽しそうに話してるの?」
「え?涼風、なんか怒っt」
「答えて。」
「え?」
「答えてって言ってるの。」
「え、いや、あの、昨日神月もゲーセンにいたらしくて、それでちょっと色々と世間話を…。」
「そうそう。私も鷹咲君を寝取ろうなんて考えてないからさ。」
「ね、寝取る…!?そんな不埒なことを!鷹咲君!こんな人と一緒にいたらダメだよ!」
「いやいやいやいや、神月だってそんなこと思ってないらしいし、一旦落ち着けって!」
「私の鷹咲君に何されるか分かんないし落ち着いてられないよ!」
「あ、え?あぁ、うん?え?」
そんなことがありつつ、SHRが始まる直前まで涼風が落ち着くことは無かった。
涼風さんちょっと愛が重い…。




