デート(鷹咲視点)
タイトル通り、デートの鷹咲視点です
あれから10分ほど経ち、チケットを買った。涼風がずっとこれが良いとごねたため、カップルペアチケットである。
そんなにデートだからと気合を入れるものなのか…?いや、涼風が俺のことを好意的に見ているのならこうしたいのも分かる。こうすれば相手にも意識してもらうことができるから。
まあそんなことは置いておき、俺はこの後の行動について涼風に尋ねる。
「涼風はどこから見たいんだ?」
「どうしようね。」
「決まってないのか…。」
「あ、ペンギンからにしよ?」
「ペンギンか?少し遠いけど大丈夫?」
「うん、大丈夫。」
涼風の提案に従い、俺たちはペンギンの展示場へ向かった。
「可愛いかった…。」
色々なペンギンを見た涼風はそんなことを呟いた。
俺からすれば、ペンギンを見て目を輝かせていた涼風の方が可愛いかったが…。
まあその後も色々と見ていったが、どれも涼風が喜んで見ていたため、良かったな〜としみじみ思う。
そして今、既に日が傾いてきていた。
「今日は楽しかったよ。」
「そうだな。お前と回ったからこんなに楽しかったのかもしれないな。」
「そうだね。鷹咲君とだったからこんなに楽しかったのかも。」
「「…。」」
最近の涼風に対する想いを、俺から言うべきだと思った。涼風も俺のことを好いているのだろうが、こういうときは俺からの方がいいだろう。
一瞬の静寂を"俺"から切り裂いた。
「あのさ、涼風。いや、天海。」
初めて涼風のことを下の名前で呼んだが、なにか恥ずかしかった。しかし、そんなことを気にしている暇は無い。今はただ、想いを伝えなければ。
「っ!…なに?」
「俺はこの先お前を傷つけることも、怒らせることもあるかもしれない。だけど、俺は天海のことが大好きだから、お前を絶対に幸せする。だから天海、俺と付き合ってください。」
人生で初めての告白。好きな人への想いを伝える、心からの言葉。
「私で良ければ。」
俺はその返事が来たとき、とても安心した。もしかしたら断られるのでは?と心の中で思っていたからだ。そしてその直後、急に涼風が心臓の辺りを抑えた。
「あ…れ…?どうして…。」
そう涼風が言って倒れたとき、一瞬、何が起きているのかが理解できなかった。しかし、俺はすぐに状況を理解し、救急車やスタッフを呼んだ。
「天海!天海!大丈夫か!?しっかりしろ!」
心の中は恐怖と心配、そして悲しみでいっぱいだった。
「大丈夫ですか!?」
スタッフの方々も来て、全員で救護に当たった。
しばらくして救急車が到着し、俺は付き添いとして一緒に病院へ行った。
「頼むから死なないでくれ…。」
今の俺には、そんな願望を呟くことしかできなかった。




