06話
月曜日の投稿予定でしたが、寝不足故にダウン…今回は短め!
メイド服に着替えを終えたアオイがレイナのいるミーナ達の自室の扉の前に現れる。ちょうど扉が開いたままになったので、レイナがミーナを起こしていることに気が付いたようだ。
アオイの声に反応し、アオイと見ると昨日見たまんまのメイド服を着ていた。しかい一点、昨日とは違う点があり、それは帰宅時に付けていたサングラスを今も身に着けていたことである。
それを疑問に思うが、アオイはレイナのその様子を気にも留めずに、室内に入った。
「あ、えっとマリアさんからミーナちゃんを起こすように言われてたんだけど」
「ああ、なるほど。お嬢様は寝起きが悪いですし、起きたとしてもしばらくは寝ぼけたまんまですもんね」
「…結構なこと言うんだね」
「事実ですから」
あっけらかんとそう言い切るアオイは、そのままミーナが包まっている布団の前にしゃがむ。
「ミーナお嬢様は優しいやり方じゃ簡単に起きません。なので…」
「なので?」
「こうします」
アオイはミーナが入っている布団を容赦なく剥ぎ取る、そしてミーナが何か反応をする前に素早く、器用に抱き上げた。
そしてアオイは抱き上げたミーナを縦に優しく揺らしながら「朝ですよ、起きてください」と続けた。手には未だに犬のぬいぐるみを持っているが、自らを包む布団がないことに気が付き、寝ぼけながらもアオイを睨みつけて、唸る。
特にそれを気にした様子がないアオイは寝起きで不機嫌なミーナの頭を撫で宥める。
「お嬢様はこれである程度起きてくれます…まぁ、そのまま寝るときはありますけど」
「な、なるほど。それにしても慣れてるんだね?」
「…よく起こしに行かされるんで」
不服だ、と言外に主張しながら補足をする。その様子に苦笑しながらレイナは「ほら、下に行こ?」と居間に行くことを促す。
「そういえば、どうしてサングラスをかけてるの?」
下りの階段に差し掛かった時、レイナは先ほどから疑問に思っていたことを率直にアオイに聞いた。アオイは足元に注意しながらゆっくり階段を降りようとしながら答える。
「簡単に言えば眩しいからです。それこそ室内灯ですら眩しいですね」
「え?そうなの?でも昨日は…」
「顔見世だったので外していただけです。ただでさえこの外見なので、下手に目立つのは嫌なのでせめてもの目だけは隠しているんです」
「…その恰好だとどっちにしろじゃない?」
「…言わないでください。ですが、どっちにしろこの身体には色素がないので、目は過分に光を吸収してしまい、眩しいというわけです」
「なるほど…アオイ見たいな人って『アルビノ』って言うんでしょ?」
「…それの発言は相手によっては不快なので止めておいた方が良いですが…まぁ、色素がなかったり少なかったりという点では共通してますが、これはアルビノではないと言っておきます」
「え?それってどういう…」
「居間に着いたので、この話は別の時に」
アオイが言った通り、会話をしながら移動していた為、レイナが言われて気が付いた時には居間に到着していた。
居間にあるテーブルの上には朝から美味しそうな食事が並んでいた。ハムエッグが乗ったトーストをはじめ、緑の中に赤いトマトのアクセントがあるサラダ、コンソメの匂いが立ち上るスープ、そしてマグカップには各々の好みに合わせてミルクやコーヒーが入っていた。
レイナはそれを見て大変驚いた。何せ、ここ数年の朝食といえばトーストを焼いてそれに適当にバターやジャムを塗りたくり、飲み物と共に胃に流し込むだけであったからだ。
このような豪華な朝食は久々であった。
「あら、結局アオイがミーナお嬢様を連れてきたんですね」
「はい、起こせなくてすみません」
「何も謝る必要はないですよ。ミーナお嬢様を起こすのは至難の業ですからね」
「…じゃあ、なんで起こしに行かせたんですか?」
「レイナ様にもミーナお嬢様の寝起きの悪さを体験して貰おうと思いまして」
「マリアさんって、性格悪い?」
「…何を…それは今更ですね」
アオイは分かりきっていましたと云わんばかりに軽くため息を吐いた。レイナも一連の出来事でこの妙齢のメイドを多少は警戒するようになった
「それはともかく、朝食の準備ができたので旦那様と剛輝様を呼んで来てください」
「起きてすぐで大丈夫なんですか?お父さんは大丈夫だけど…」
「大丈夫です。旦那様は朝食ができていないと起きてこない人なので問題ありません。それにお嬢様と同じで非常に寝起きが悪いです」
「あ、そうなんですか?」
「そうです。レイナ様は剛輝様を、アオイはいつも通り旦那様をお願いします」
「はい!」
レイナは素直に返事をしたが、アオイはサングラス越しでジト目でマリアを見た。
「それは良いですけど…毎度聞きますけど、良いんですか?」
「はい、容赦なくやっちゃって下さい」
「…まぁ、やりますけど…では、行ってきます」
レイナとアオイは別れて、剛輝とホークを起こしに行った。レイナは普段通りに剛輝の耳元でアナログの目覚まし時計を爆音で鳴らし、父を叩き起こした。
そしてその剛輝いる部屋のとなりにある客室で寝ているホークの部屋から「ゴッ!」と大きい鈍い音が響くと同時に「グエッ!!」と巨大なカエルを挽き潰したときに出るような声が聞こえてきた。
急いで扉を開けて、隣の部屋に入ると目に入ったのは黒いグローブを付けた手を鳴らしながら汚れを落とす動作をしているアオイと客室のベットの上で腹を抑えて悶える金髪の巨漢であった。
次は木曜日!




