2話 指紋使いVS生徒会
俺は後ろから忍び寄られないように壁に背をつけて、ため息を吐いた。
見ることもできない、認識できない。あっち側から一方的に攻撃できる能力。世界に影響を及ぼしてもそれが認識されることはない。チートとも言っていい能力だ。
「ただどうやら効果時間はそこまで広くないようだ…実際足京が倒れてから気付いたし、塩塚が薬を飲まされてから気づいた…強い能力は燃費が悪いからな…」
能力には射程距離と効果時間がある。その弱点をつけばどんな強大な能力者でも倒すことは容易い。
「塩塚は重かったようだな?いま壁に指紋がポツポツと浮かび上がってる…壁に手をついて休んでいるのか?」
食堂なら当然あるもの。それで敵をぶっ倒し2人を医務室へ連れて行く!
「喰らえっ!突き刺してやるっ!」
フォークをぶん投げると、その壁の付近で挙動が変わり、金属音が響く。
「命中したようだな…更に喰らえっ!」
流石に移動していたようで、投げたフォークが壁に直撃した。
「息を整えているのか?なら好都合だ…こっちにとってはな…」
大技の準備をしていると視界が揺れた。遅れて、顔の中心に灼熱感が走る。奴がナイフか何かで引っ掻いてきたのだ!
「いや、今から近くを殴ってももう離れているだろう…一刻も早く決着をつける!行け!指紋死闘」
指紋を秒間数万回書き換える!すると摩擦で、指先に“渦”が生まれていく…その風の渦はやがて纏まり1つになる!
「これが俺の大技…!すべてを削り取る風の刃の集合体!指紋渦!!」
圧倒的な暴が学食中を薙ぎ払った。机や椅子などがガキガキとネジ曲がっていった。もう敵に逃げ場はない。
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生徒会にて
「お姉ちゃんがやられたんだってさ!ずたずたになって見つかったんだってさ!」
黒いソファの上に立っている可愛らしい少女、辻霧籾が爆笑しながら他の生徒会メンバーに伝えた。
「あなた達姉妹は仲が良かったんじゃないの!?味方がやられたのになんでそんなに嬉しそうなの!?」
お行儀よく座った育ちの良さそうなお坊ちゃん、天峰多角が疑問を挟んだ。
「御主人様、僭越ながら申し上げますがあの姉妹に話が通じると思わないほうがよろしいかと」
天峰の横にいる、黒くて膝ほどまである美しく長い黒髪を持ったメイド、三宅硯が囁く。
「うむ、つまり我々の計画を邪魔しようという輩が現れたというわけだな?なぜそんなことをするのか不思議でならない」
赤髪ツインテールの会長、九鬼鏡華が首を傾げる。
「この計画が成功すれば、自分に取り柄がないなどと悩むものはいなくなる!素晴らしい世界となる!流石理事長だ!」
「でもお姉ちゃんを倒すなんて相当腕が立つやつじゃないかな?どうするの?」
「薬を飲んで、もう能力者化に成功していると考えるのが妥当だが…まあ所詮やつは生徒会の中でも最弱…」
「そのセリフ言いたかったんだろうけど、この中で一番弱いのは会長さんじゃないの?」
「し!失礼な!火力では最強は私だ!」
「それだけだと思われますが…会長はもっと能力の特訓をされたほうが…それに比べて御主人様の能力の練度ときたら!もう神と言ってもいいです!」
会長は三宅を睨みつけた。
◆指図にムカッ!
続く




