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4 「たーだいま、フェル。パパが帰ったぞー」(上下振られる)

俺が新たな決意をした束の間古びたドアがギッ…ギッ…ギっと鈍く音が鳴る。

音からその古さがわかり顔を顰める。まあ今の俺だと変な顔をただしているかたちだろう。

入ってきたのが30代半ばの男性だった。細い体ではあるが体は分厚く筋肉質だ。

見た目で弱そうと思うかもだが結果的に負かされるタイプだろう。前の俺じゃ絶対負けてるな。

俺はひょろひょろしてるし運動なんてもってのほかだ。俺の50m走のタイムなんか12秒だしな。半分行ってゼェハァ言ってる状態だから尚更だ。

そんな俺が羨ましいとも思える男性は茶髪で刈り上げた髪はスッキリしている。そして、瞳が翡翠色だった。鼻筋もはっきりしてて、右目のすぐ下にほくろがある。

………なるほど。こりゃかっこいいな。今からでもこの俺の魂とか記憶やらを交換してみたいものだ。

こんな今の体じゃなんもできないからこそ。

「おかえりなさい、ライド」

「あぁただいまアネッサ」

2人の親しげな仲を俺はただ無言でいくことしかできない。無、だ。無だ俺っ。

男性に呼ばれたこの女性はアネッサというらしい。俺はアネッサに抱っこされていたが急にライドが俺を抱っこし出す。アネッサとは対照的にやっぱり手も大きくかくばっている。マジで入れ替わろう、ライド。

ライドは翡翠色の瞳を輝かせ満面の笑みを浮かべながら上下へと俺を動かす。

「たーだいま、フェル。パパが帰ってきたぞー」

上…下…上…下……う、え………ヤバい酔う。

うぐっと小さな手で口元を押さえているときに救世主のアネッサが止めに入る。

「ライド、フェルは今起きたばかりなの。さっき頭打っちゃったみたいで起きた時寝ようとしてたから驚いちゃったの」

「あーまだフェルは小さいからな。これから教えていけばいいと思うな」

「そうね。急にこの環境に慣れるのも大変だしね」

2人で勝手に話しているが俺中身大人だしなんか…申し訳なく思ってしまう。

にしてもようやくわかった。この2人が俺の母親と父親というわけか。

……母親と…父親…。

前の俺は小学生の頃すぐにどちらも失った。

その日は俺の授業参観とかなんやらで妙に母親と父親がやる気になってたの、覚えてる。小さいガキにとっては親が来てくれるだけでその頃は恥ずかしさというより嬉しかったし照れくさかった。俺が先に学校へ行き、授業参観は5時間目だった。給食食べて掃除して……そんないつも通りの生活だったが5時間目が待ち遠しく、時間の進みが遅く感じた。そして待ちに待った5時間目。授業は算数。計算系だから俺の得意分野とでも言えるくらいだ。少しでもカッコいい姿見せたいと手をあげたり、声出したり…。何度か後ろを見て来ていないかどうかみたがいるのは知らない大人、友達の親とかくらいだった。授業終了時、結局親は来なくて裏切られた気分になってた、時、先生に呼び出された。不機嫌な俺に告げられたのは親の死。行く途中、交通事故に巻き込まれたらしく、病院に運ばれたらしいがどちらも……。目の前が暗くなって、今まで腹立っていた俺がどうでもよくなった。そこ、からはまあ色々あったがあまりよく覚えていない。

ただ…

人はあっけなく突然にいなくなってしまう、それだけ、わかった。

実際経験したらよりそう思えてくる。


この今の俺の親もいつかは死んでしまうんだろう。でも、俺はこの人たちを親と思って悲しむことができるのだろうか…。

どうでもいいことだ。すごいどうでもいい心配だ。

俺は結局は新たな人生を歩むっていうわけだ。今更あっちのこと思い出してうじうじ心配するとかアホすぎる。

だから…今は…

「まぁま、ぱ、ぱぁ?」

2人はぴたりとかたまり数秒。

「「名前呼んだぁぁ!」」

と同時に叫んだ。これが俺なりのまあ…よろしくで

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