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5 苦労する子供の俺

俺がなんとか歩けるようになった、そんな時、俺はこっそり家の中を回ってみた。そこまで広くなく、リビングと思われるところとその隣部屋くらいだ。思ったとおり寝室はない。

俺はなんとか隣の部屋のドアノブに手をかけ押すといっぱいの本棚の中にある本をみて目を見開く。すごい、量だ。俺の親の趣味なんだろうか…?

俺は試しに1番下の本を手に取る。何かが綴ってあるが全然わからんっ!

日本語とはまた違うのか…。なんかあいうえお表みたいなものあったらいいんだけどな。俺はちまっとした足でぺたんと座り、とりあえず開いてみる。色々絵は載ってるけど…うん、わからん。文字がないから、なんで泣いてんのかも鍋を捧げてんのかもわからん…。

「…あ〜!やっぱりいた!もういなくて焦ったんだからね」

捕まえたっというように抱えられる。本は俺の手から滑り落ち、その本を手に取られる。

「あら、七人の魔術師の話が気になるの?」

と聞いてる側が少し楽しそうに微笑んでる。何か思い出の本なのだろうか。俺は歩けるようにはなったが言葉はまだまだ。なんとか読んでくれアピールをすると運良く伝わったのかアネッサが座り、俺はそこに乗せられる。もうここまで生きてきて恥じらいとかは捨てた。いちいち反応してたら君悪い子供と思われ売り飛ばされる始末だろう。俺は大人しくアネッサの声に耳を傾けながら絵を見つめる


               『魔法の誕生の鍵』

                         〜七人の魔術師〜

        _____________________

むかしむかし、世界はひとつの島から始まりました。小さな島は誰も住んでおらず、ただ小さな木だけが存在していました。小さな木風が吹くたびぽきりと折れそうに見えますが根を張り必死に持ちこたえていました。そんなとき、七人の子供達が空から降り降りてきました。子供達は木を囲むように並べられ、それぞれ違った髪や特徴を持っていました。子供達が不思議そうに歩き出すたびその木は母のようにただじっと温かく見守っていました。子供たちが大きくなり、それぞれがこの小さな島を大きくしようと自由に動き出し始めました。土で島を大きくしていき、祈りを捧げ植物を増やし、風で木を切り建物を作ったり、涙で川や滝、噴水を作り、日用品の開発など小さなおもちゃ箱をいろんなもので埋めていっぱいになったら箱を大きくしてまたいれてっと繰り返していきました。そうしてできたのは立派な大きな国となりました。七人の魔術師はたたえられ、さまざまな栄誉を受け取りました。例えば1週間をそれぞれの名前や特性にしたりなど。この七人から魔法はこの時代まで続いているのでした。

         _____________________

「私たちが魔法を使えるのはね、彼らのおかげなの」

まだページは余っていたが区切りかのように閉じられる。

「ちなみにね、1週間をそれぞれ火のイグニス、水のアクア、風のシルフ、地のテラ、空のエーテル、光のルクス、そして闇のシェイド。この1週間で回ってるの。みんなは火の日、水の日、風の日とか言ってるわね」

日本とはまた違うからややこしそうだなっと思う俺。それなら月とかもあるんだろうか。早く話す、読むもできるようにしないとな。

「あ、それにね、この国は基本的寝ないのよ」

と理解はしてないだろうと思われつつ俺に向けて言う。

…寝ない……?なぜ寝ないのかよくわからない。そういう人種だからか?だとしたらすごいな…。

「この前は無理やり魔法で起こしてごめんなさいね。でもそれに慣れなきゃいけないの。大きく慣ればなるほど忙しくなってくからね」

よしよしと俺の頭に手を乗せられ撫でられる。正直寝そうだし寝たいが、寝たらまた無理やり起こされるだけだ。

我慢しろー俺ー…。

俺は眠い目をちっこい手で擦りながら朝を迎えたのだった。


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