3 前世なんて言いたくねぇぇ!!
俺は気づいてしまった。
こんな指短くないし少し柔らかいのはおかしい。すごくおかしい。
もしかして…っとベットから足を無理やりだすと思った通りすごい短い。
手も小さい、足も短い…しかも俺をフェルと呼ぶ女性…もしかして…だが。
女性に抱き上げられた俺はジタバタする気にもなれず間違ってくれ…っと祈りながら女性の澄んだ若葉色の瞳に俺をうつす。
黒髪で目をメガネで隠していた社会人として働く俺。今…うつってるのは、プラチナブロンドのような色の髪に顔の大きさの割にでかい紫の瞳。どう…みても違う。
じゃあなんなんだ…?転生した、とでも?俺あの階段で転げ落ちて死んだのか…?
あれが俺の死とかやめてくれぇ!?
仕事終わってあくびしてたら落ちて死んでました、とか全然笑えねえよ!?コレ絶対スベる系だろッ。
俺は前世…とは言いたくないが前の自分に想いを馳せつつとにかくこの子(俺)について考える。情報収集が何よりも重要、だしな。
歳的には1〜3歳程度だろうか。言葉も碌に上手く口が回らないから人の言葉とかを聞き自分で話せるようにしなきゃな。俺のこの外見は…多分俺を今抱っこしている女性からだろう。おそらく、だが冷静な俺の推理では俺はこの女性の子供なのだろう。髪だけじゃなく、目元とかが俺が言うのもなんだが似ている。
プラチナブロンドの髪なんて違和感しかないが遺伝子なんだし仕方ない。ただ、瞳は違うらしい。なら……多分俺の父親とかだろう。それか混ざってなった、とかか?
色々俺の頭の中で考えを整理し、この小さな俺にとっては疲れた。うとうとと目が閉じ出す。
そういえば…俺…ちゃんと寝なきゃ……な
ようやく寝れる安心感とこの女性の暖かさとかあったせいか俺の思考はぷつりと途切れた。
◇◇◇
俺は部屋にいてソファに寝転んでいた。色々残業があったが休みの日はゴロゴロできるし最高のご褒美だ。
のっそりと起き上がりメガネにかかった黒髪を払いつつゲームを取り出す。コツコツ街づくりをするのが好きで今日はそれの続きだ。ゲームを起動し、もう1人の俺が俺の思うままにとことこ歩いて食べて話してお金を貯めるような生活。ご飯を食べさせて寝させたら終わりにしようと思い、寿司を美味しそうに食べて食べているゲームの俺を見続ける。
すると、急に画面いっぱいが若葉色に塗りつぶされる。
バグったのかっと思いつつまた寿司を食べる俺を待ち続ける。
けれど一向にそんな兆候がない。逆にさらに広がっているような……。
ゲーム機をさらに近づけると、ブワッと視界が若葉色で染まり出す。
なんか…あったかくて……………まっぶしッッッ
ぎゅっと目を閉じ、少し目を開く。光は収まっていたためパチリと瞳を開いた。
◇◇◇
開いたときにうつるのはあの女性だった。眉を寄せ心配そうな顔をしていたが俺が目を開けるとホッとした顔をする。
い、一体…なにが?俺は確かゲームしてて…急に視界が若葉色になって…それと同時に目が覚めた。
そう…この女性のような瞳の色…。
「正直不安だったの。私の魔力じゃフェルを起こせないんじゃないかなって。でもよかった」
と微笑む。
よく、わからない。そのものいいだと寝ることはまるで良くないかのいいようだ。
正直聞きたいが今の俺じゃダメだ。もっとしっかり話せれるように、それまでは話す練習に力を入れよう。
俺は目の前の目標を見据えキリッとした顔を…まあ…しようとしたのだった。




