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氷結の黒薔薇―世界を塗り替えよ、氷の少女と共に―  作者: 香辛凌
第2章『王都編-オープニング-』
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第4話「ハイライト」


――――――――――――――――――――――――


かつての記憶を反芻する…。

「―この世界の悪意は、カタチを変えて絶望を振りまく。」

俺が今見ているもの―悪意というものが、どれだけ悍ましいものなのかを嫌というほど認識させられる。


―だけどなぁ…!


「…女の子のピンチを前にして、俺は惨状から目を背けた!てめえの覚悟から逃げた!この情けなさが…、許せないっ…!!」


ああそうだ。


…だが俺は誓った!前に進み続けると―!


悪意に抗おうとする、ソニアの表情が俺の信念に火をつけた…!


「大丈夫…。」


俺は大きく息を吐く…。

「俺はゲート…。反逆者ゲートだ!」

「俺はお前のような醜い悪意に抗い、」


目をカッと見開き、ニィっと笑う―!


「また抗う者の意志を繋ぐ男だ…覚えておけ!!」


それを聞いたアイが無邪気に微笑む。

「カッコイイこと言っちゃって…。」


さあ、ここからが…!

――――――――――――――――――――――――


俺の今やるべきこと―

それは”悪意に侵されたヨハンとソニアを解放し、悪意を断ち切ること”だ。

次の瞬間、俺はアイのところへ飛び込む。


「えっ―」


ヨハンの触手を切り飛ばしながら、アイを抱えて物陰に隠れる。

「なあアイ、さっき言ってた―」

俺はアイの方を向きながら、小声で質問をしようとする。

しかし、霜焼けになりそうな平手打ちが、俺の頬に炸裂する。俺は反対の壁に激突した。


「痛って〜…!何すんだよ…?!」

反論しようとしてアイの顔を見たとき、俺は凍りつく―。


そこにいたのは…顔を真っ赤にして、メンダコのように頬を膨らませたアイの姿だった。


「あなたね…、見たでしょ…?!」

「え…、何の話だ…?!」

俺は困惑する。

「てか、今そんなこと言ってる場合じゃねえよ…!」


ちくしょう…!

俺が吹き飛ばされたせいで、俺達の位置が2人にバレちまった…!これはまずい…!


次の刹那、触手のラッシュが槍の如く迫りくる―!

「ちぃ!!」

剣でいなしながら、アイに向かって叫ぶ。

「頼む!機嫌直してくれー!」


一息ついて…


「王都で新しい服買うから〜!!」


「…言質取ったわよ、ゲート。」

アイがぷいっと横を向く。


「ああ…!」


何はともあれ、機嫌を直してくれて助かった。

「アイ!」

俺は再び問いかける。

「さっき言ってた邪気…悪意を感じ取れてたのはなんでだ?!」

アイを庇っていなし続けながら喋るの、中々シビアだぜ…!


「ああ、それはね…」

そう言ってアイは目を見開く。

その目はいつもの透き通るような紫色ではなく、魔法陣…?の様な紋章の入った黄色い目だった。

「この目のおかげよ。これがあれば、相手の中身もまるっとお見通しよ★」


…なんてチート能力だよ…。

だが、それはいい。


「アイ!2人に寄生してる悪意は、どう結合してるか見てくれ!」

いなし切れず血を噴き出しながらも、俺は思考を止めない。

「えっとね…」

そう言ってアイはじっと2人を見つめる…


「30秒持ちこたえてね、ゲート!」

…わかってるよ、アイ。


「任せろ…!」


10秒経過―


触手ラッシュの回転が上がる―!

「ぐっ!」


20秒経過―


ソニアが俺たちの頭上に飛んできた…!

クソッ…!

使うしかねえな…!


―『テージウィンド!』


俺の四肢に、緑色の旋風が絡みつく。


次の刹那…、俺のスピードが爆発的に上がる!

「オッラアアアッ!!」


アイを2方向からの攻撃から庇い続ける。


あと5秒―。

まだだ…、まだ止まるな…!


あと2秒―。


ビキッ


「ッあ…!」

バカ野郎…足が攣っちまった…。

コンマ1秒、俺の攻撃が遅れる…。


「アイーっ!」


俺が金切り声をあげる。だが…


「上出来ねゲート、見直したわ。」


アイの氷が天を穿つ…!

「解析完了!しっかり聞きなさい、ゲート!」


もうだいぶキツイけど…無駄じゃなかったぜ…!

「…おうっ!」 


―アイの解析結果を聞いて、俺は複雑な表情をする。


根を張る―。しかも、アイツの方はもう…!


…だが、できることがある。それだけで十分だ…!

俺はボロボロの床を蹴って上に飛び上がる…!


――――――――――――――――――――――――


「さあ――ここからが俺のハイライトだ。」




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