↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
75/83

第70話「PHASE 13 終末 宣言」



<帝暦2031年 4月8日 10時40分 閉ざされた空間にて>


 「クローン……!? 答え合わせ……!?」


 「そう。反逆者となったキミが私に持った疑問、そして私のこと。その答え合わせ……って、アンタ驚きすぎでしょっ! あはは!」


けど、鳩が豆鉄砲を食らったような顔で固まっているゲートを見ると……昔と変わっていないところもあると感じて、なんだか心が軽くなる。


「だっ、だってよ! 皇族じゃなくてそのクローンなんて言われたら……いいや、ごめん。話を続けてくれ」


彼は壁に手を触れながら、ひとまず落ち着いてくれた。


「でも、アイナローズだからアイちゃんか。でも、馴染みがあるアイで呼ぶよ」


「か、かまわないわ」


……こんな時に、何意識してるのよ。バカ。


「こ、こほん。じゃあ、まずはその剣ね」


私は鞘に収まった黒薔薇の剣を指差す。


「あ、ああこれか。王宮からパクったとか言ってたな」


「え、ええ……そうよ。言い方はアレだけど。ブレイドがキミを12人目と言ったように、その剣の持ち主は以前にも11人いたの」


「まあ、それは夢で見たし大体想像できたけどさ。別名“反逆の剣”が、王宮にあったのが釈然としない……」


ゲートは相変わらず壁に触れながら険しい顔をする。


「そこよ。黒薔薇の剣は……」


「人々の抗う意志が、マギアの力を通じて具現化したものなの。だから色々な意志が混ざり合って黒く染まってるワケ」


私は一呼吸置き、話を続けた。


「――ここからは長くなるから、頑張って聞いてちょうだい。97年前。初代黒薔薇の悪魔――ブレイドが、レクエリアム統治下のアルトリアに蜂起したらしいんだけど、彼は剣を放棄して、また別の持ち主が黒薔薇の悪魔となって……でもレクエリアムは、世界を塗り替える力を計画に利用することを思い付いた。黒薔薇の悪魔を回収して、世界を自分の好きなように改変する計画」


「私のモデルは、レクエリアムの唯一の肉親だった妹、アイナローズ。彼女は幼いころに亡くなって……黒薔薇の力で復活させようにも、上手くいかずクローンの私を作った」


「けど……レクエリアムは、私を出来損ないと蔑んだ。何せ、妹としての記憶なんてこれっぽっちも無かったんだから。彼女は大司教達に、私の体を弄くり回すよう命じた」


「皇帝は今という世界を壊そうとしている。でも私は、この世界で生きる意味を見つけたかった。壊させない。それで逃げ出そうと思ったけど、黒薔薇の改変能力が相手じゃ歯が立たない……。だから、新しい黒薔薇の悪魔を生み出して味方につけようと思ったの」


「それで俺に力を与えたってことか……」


「ええ……キミを騙すような真似をして、申し訳ないわ」


ゲートは深く考え事をしていた。当然だ、こんな大事なことを今まで黙っていたのだから。


「……君も、大変だったんだな」


「何で今になって教えてくれたのか分かんないけど、俺は感謝してるぜ? アイ」


彼はなんと……にこやかに感謝を述べたのだ。


「ゲート……!!」


私の目が、急激に潤みだした。


「もう半分は、後でするってことだな。ちょうどいい!!」


彼がそう言った途端、私達を閉じ込めていた空間が崩壊した!


「なるほど……アンタが壁を触っていた理由が分かったわ」


彼にサムズアップを送る。


「そういうこと! さあ、行くぞ! アイ!」


彼の手が私を外へ引いていく。


そうよ、言うのよ。


皇帝の目の前で、ゲート……アンタに!


  ※        ※        ※





 「――なに、これ」




 私は目の前の光景が信じられなかった。


「ここは、市街地か……改変で飛ばされて……おい、やめろ。やめろ皆ァァ!!!!」


何が見えていたかですって……?


市民が子供に暴力を振るい、喧嘩で殺し合いをし、


市民が怪物になっていく様。


呆然としている私とゲート。


その時、すべての人間に聞かせるように、アナウンスが始まった。


「何も知らずに生きている全世界の住民と、反逆者の皆さん。ごきげんよう。私はアルトリア帝国・現皇帝、レクエリアム・ザン・アルトリア」


「皇帝レクエリアム……!」


ゲートが歯ぎしりする。


レクエリアムは、こう続けた。


「塔が全て破壊される前に、悪意で満ちた醜い世界を、自らの悪意で浄化する……」


「リアライズ・レジェンドを、始めましょう」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。